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【木村勝千代 第11回かつちよかい】2023年8月8日(火)13:30~15:15@カフェa bientot(荻窪)

「相合船」(清水一朗作)
~仲入り&ティータイム~
「まつり浴衣」(清水一朗作)
曲師:沢村まみ

4年目曲師のまみさんが、木村派の浪曲の勉強をするために一昨年に始まった会。初めて参加した。喫茶店に十数人の客という、贅沢な時間と空間。マイクなしにどこまでも届くような声量と自在の節に聴き惚れた。

毎回、演題はまみさんのリクエストとのこと。今回の夏らしい二席はどちらも、続きが気になるところで敢えて終わる余韻が爽やか。初心者ゆえに的外れかもしれないけれど、勝千代師匠の節回しは力強いんだけど柔らかくて細やかで、陰影があるというか。美しい。

「相合船」(清水一朗作)
何とも可愛らしい一席。親と番頭の決めた見合いが嫌で、当日船宿に逃げてきた若旦那。そこへ、店から相部屋を頼まれて入ってきたのは、美しいが気の強い女性。じつはその女性も親と番頭の決めた見合いが嫌で、当日逃げてきた身。やがて互いがその見合いの相手とわかり……。二人で船で佃まで繰り出し、遠目に隅田川の花火を眺める。夜空に大きく花火が広がる。さてふたりの恋の行方やいかに……というところで余韻たっぷりに終わる。これ、いい噺!

「まつり浴衣」(清水一朗作)
これは日本橋でも聴いたけれど、また盛大に泣く。吉次郎は母を亡くし、父が後妻をもらって弟妹が3人。12歳の祭りの夏、一家は貧しくて揃いの浴衣をつくれない。やっと工面した反物で継母は幼い弟妹の分だけ浴衣をつくる。悔しくて家を飛び出し、亡き母の故郷・宇都宮を目指し、利根川のほとりの宿で仕事を得る。祭りの日、8年ぶりに江戸に戻って、そっと家を覗いてみると、一家揃って祭りに出かけた留守宅に、丈も裄も自分にぴったりの浴衣がかかっている。それを羽織って、嬉しさにうたいあげるところで終わる。そのあと親に会ったのか、それども会えずに去ったのか、こちらも余韻が胸に残る。これもいい噺なんだよね。最後の節のところが、素晴らしいんだ、また(涙)。

仲入りのティータイムには予約していたチーズケーキセット。ここのチーズケーキ、ネットでも評判だけど、本当においしかった。濃厚なチーズプリンといった感じで、なめらかで、上にカラメルがかかっていて。この会、絶対にまた行く!
(店の外でチラシの写真を撮ろうと思ったら、勝千代師匠がお見送りで外に出ていて、まみさんと一緒に写真に収まって下さった。ありがたやー!)

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