10年ほど前、パティ・スミスがフジロックで原爆の話をして、我がことのように「I'm sorry」と言ったときに(そんなことを言ってくれるの?!)と本当にびっくりしたんだけれど、私は何にびっくりしたんだろう。こんなことを言ってくれる人がいるなんて、思いもしなかったからだ。では、どうしてそう思い込んでいたんだろう。そのことをここしばらく考えていました。あのときのパティの言葉、反戦のメッセージに勇気付けられながら、自分から沸いてくる卑屈な感謝の気持ちがあり、それはもしかすると特段持たなくていいものだったのかもしれない。パティの反戦の気持ちにただ連帯するだけでよかった。幼すぎてあのときは分からなかった。