「人は蜂起する。これは一つの事実だ。そのことによってこそ、主体性(偉人のではなく、誰でもいい人間の主体性)が歴史に導入され、歴史に息吹をもたらす。
非行者は、濫用される懲罰に抗して自分の命を賭ける。狂人は、監禁され権利を剥奪されて、くだびれはててしまう。民衆は、自分たちを抑圧する体制を拒否する。そんなことをしても、非行者は無罪にならないし(...)明日を保証されはしない。(...)混乱したこれらの声が、他の声よりうまく歌っているとか、真なるものの深奥を口にしているなどと見なす必要はない。
そうした声に耳を傾け、その言わんとするところをわかろうとするということに意味があるには、そうした声が存在し、これを黙らせようと執念を燃やすあらゆるものがあるというだけで充分だ。」
『哲学で抵抗する』
高桑和巳https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-721201-3
前に読んで印象に残っている。今読んでいる本で引用されていて縁を感じる。