徐京植評論集Ⅲ『日本リベラル派の頽落』「あとがき」よりhttps://www.koubunken.co.jp/news/n21970.html
“この議論に欠けている点は少なくとも二つある。過去の天皇制はまさしく天皇を「超越的で霊的な〈中心〉」に祭り上げ、それを軍部や政界が利用するというもたれ合いによって成り立っていた。天皇は「神聖にして不可侵」という明治憲法上の規定により天皇は戦争責任も問われないという理屈がまかり通っていた。最高責任者である天皇の責任が問われない以上、その命を受けた者たちの責任もまた問われることはない。為政者にとってこれほど好都合な仕組みはあるまい。”