mastodon創設者インタビュー面白かった。
https://wired.jp/article/the-man-behind-mastodon-eugen-rochko-built-it-for-this-moment/
本日発売の『現代思想』に「新自由主義、宗教右派、ロスジェネ――何が銃撃事件容疑者を生んだのか 」という論考を寄稿しております。
安倍元首相銃撃容疑者のツイートを分析した上で、ウェンディ・ブラウンの『新自由主義の廃墟で』の議論が、彼があぶり出した日本の状況を理解し、それに介入するのに有効かどうか、検討しています。よろしければ!
現代思想 2022年12月号 特集=就職氷河期世代/ロスジェネの現在 | 雨宮処凛, 生田武志, 杉田俊介, 赤木智弘, 小林エリコ, 山田航, 栗田隆子, 貴戸理恵 |本 | 通販 | Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4791714407/
先日のトークイベントの最後の方で、拙著の結論のひとつであるベーシックインカムについて尋ねられ、承認の問題にからめて答えたのですが、ちょっと(常にそうなのですが)言葉足らずだったかもしれません。
ベーシックインカムというのは、基本的な生存権を保障するものであり、それは生存権と結びついた水準での「承認」を必要としつつ生み出すものです。それがあれば、もしくはそれが可能な社会では、「男性問題」の多くは解決しているのではないか、ということですね。
その場合の「承認」とは「承認欲求」云々といったときの承認とは違うもので、死なないでいるために必要な最低限の承認ということになります。
と、いった趣旨が、話し下手なので伝わらなかったかもしれないと危惧しつつ。また、そのような「承認」の問題は拙著では書くことはできなかったなと反省しつつ。
Twitter、またぞろ陰謀論的なハッシュタグがトレンドに上がって……しかも自死をめぐるものですからね。この辺もイーロン・マスク効果か?(陰謀論)
庵野秀明における官僚制という主題を、連載の先ではちゃんと考えたいのですが、映画史的な影響関係ということでは岡本喜八や市川崑をちゃんと検討しておきたいところ。(それで言うと、『東京2020オリンピック』も我慢して観ておかなければ……。)
それとは別にちょっと思ったのは、庵野秀明もセカイ系と結びつけられつつもどこかで官僚制(軍隊)に対する信というものがあったのが、新海誠にはまったくそういうものが与えられていないということなのですよね。仕方がないので一挙に神道やふんわり天皇制に跳躍するしかない。また、文春オンラインの拙論で書いたように「ダイジン」という症候的なキャラに託すことになる。
『すずめ』はそれこそ、自助が無理で共助を求めるのだけど、最終的にはそれでは間に合わないところに、公助が不在であり、その「穴」を父的なものが埋めるという図式なわけです。『シン・ゴジラ』の解決しないという結末の倫理が際立つ……。
Twitterからマストドンへ来た、新規・久々ログインの方へ
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昨今のTwitterの状況に不安感が広がっているところへ、マストドンの近況を報告する投稿をしたところ、たくさんの方にリツイート・お気に入りしていただきました。
フォローアップを何もしていなかったので、少し私の思うところを補足しておきます。
(少しと言いつつ、長いのであらかじめご了承ください……)
Mastodonは、ローカルタイムラインという仕組みがあり、誰もフォローしていない初期状態でも、そのサーバに属しているユーザーの投稿に触れることができます。
連合タイムラインでは、他のサーバの投稿も含めた、膨大な投稿が流れています。ここを普段から直接見続けるのは難しいかと思いますが、全体の勢いがわかって面白いかと思います。
このローカルや連合タイムラインから、気になった投稿にお気に入りやブーストなどのリアクションをしたり、面白そうなユーザーをフォローすることで自分のホームタイムラインに引き込んで自分だけのタイムラインを構築してみてください。
労働運動でメンタルヘルスを争点・獲得目標にするのは、日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、知るかぎりイギリスでは普通に出てきますね。日本だと労働運動側ではなく、使用者側にとってのリスクとして捉えられているのか。(それ以外の身体の健康と同様に。)そうではない、権利としてのメンタルヘルス。生政治的なものに回収されないやつ。
集英社新書+での連載、更新です。今回は公開中の『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』に始まり、「アベンジャーズ」シリーズ、『エターナルズ』で、多様性の先にどのような「善悪」がありうるのかを考えます。
https://shinsho-plus.shueisha.co.jp/column/hero_ron/22033
ここ半年は、文芸誌の出そろう7日くらいから20日過ぎの締め切りまでは多数の小説を読むことに終始しているので、今くらいから来月初めまでが別の仕事を進めるチャンスなんですが色んな催促のメールをスルーしていてすみませんやりますやります。
Mastodon始めてみて、まだよく感触がよく分からないところです。Twitterと比べて平穏に感じられるのは単に人が少ないからだと思いますし、Twitterと比べてここが安全な空間であるという保証はなにもないですよね。(ちゃんと調べていないのですが、Twitterのような通報制度とか、差別・暴力を防ぐ制度というのは整っているのでしょうか。)人が増えていったらTwitterと同じようなことになるのかな、などと、悲観的なことを。まあ、あまり期待しすぎずに、場合によってはさっさと撤退するつもりで。しかしたくさん書けますね(笑)。
なるほどー。そこは考えたことなかったです。そして最後は無能力男子(トンボ/草太)を助けるというところも同じ?
こないだ聞いてなるほど!と思ったのは、『魔女の宅急便』がポストフォーディズム時代の女性のお仕事映画だみたいなことはしばしば言われるが、あの映画、めちゃくちゃシスターフッドで、様々な年齢や階層の女性たちにキキが助けられてコミュニティに根差していくまでの物語。そこに男いらん。『すずめの戸締まり』がやりたかったのはそれか!
大学教員。専門はこの世。国立人文研究所理事。『正義はどこへ行くのか』(集英社新書)、『はたらく物語』(笠間書院)、『増補 戦う姫、働く少女』(ちくま文庫)、『この自由な世界と私たちの帰る場所』(青土社)、『新しい声を聞くぼくたち』(講談社)、翻訳W・ブラウン『新自由主義の廃墟で』(人文書院)、A・マクロビー『フェミニズムとレジリエンスの政治』(共訳、青土社)。ご連絡はs_kono400あっとhttps://www.yahoo.co.jp/