近刊『この自由な世界と私たちの帰る場所』の目次です。
論集なのでどこから読んでいただいてもいいです。
その一方、前半は後期新自由主義、ポストトランプ時代のジェンダー論、後半はその状況から抜け出すための「場所」論というデザインですので、その観点でもお読みいただけるとうれしいです。
序
Ⅰ この自由な世界
第1章 機嫌の悪い女たち、機嫌の悪い男たち――ポストフェミニズムにおける感情の取り締まり
第2章 ポストトゥルース、トランス排除と『マトリックス』の反革命――もしくは、ひとつしかない人生を選択することについて
補論 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』とマルチバースの「真実」
第3章 新自由主義、宗教右派、ロスジェネ――何が銃撃事件容疑者を生んだのか
第4章 鏡の中のフェイクと真実――『ドライブ・マイ・カー』における男性性とポストトゥルース
Ⅱ 私たちの帰る場所
第5章 ブラック・マウンテンズから中国山地へ――レイモンド・ウィリアムズと宮崎駿の「エコロジー」思想
第6章 The Return of the Native――『少女を埋める』と、少女が帰る場所
第7章 友だちの場所――ヴァージニア・ウルフ、村上春樹、エミール・ハンフリーズ
あとがき
共訳書のアンジェラ・マクロビー『フェミニズムとレジリエンスの政治』(青土社)の増刷が決まりました! ミソジニーと反福祉の感情がないまぜになった動きが日本でも目立つ中、そのような流れに対抗する知恵を与えてくれる一冊だと思います。引きつづきよろしくお願いします!
http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3717
大学教員。専門はこの世。国立人文研究所理事。『正義はどこへ行くのか』(集英社新書)、『はたらく物語』(笠間書院)、『増補 戦う姫、働く少女』(ちくま文庫)、『この自由な世界と私たちの帰る場所』(青土社)、『新しい声を聞くぼくたち』(講談社)、翻訳W・ブラウン『新自由主義の廃墟で』(人文書院)、A・マクロビー『フェミニズムとレジリエンスの政治』(共訳、青土社)。ご連絡はs_kono400あっとhttps://www.yahoo.co.jp/