マーガレット・アトウッド「MaddAddam」読了。
マッドアダム三部作のラスト。未知の世界、未知の登場人物によってストーリーが展開する1・2作目とは異なり、3作目は2作目の結末から繋がっている。人類がほぼ絶滅した世界で生き残った人々はどうしていくのかがメインテーマ。トビーやクレイクによって作られた人造人間たちによって物語は紡がれる。読む前に恐ろしいラストになるのではと身構え過ぎたのか、MaddAddamでは 1・2作目の緊張感満載のヒリヒリ感をそれほど感じなかった。三部作を締め括る今作の結末に希望を感じるかどうかは人それぞれかなと思った。私は結末に、ハッピーエンドでもバッドエンドでもない、昨日の曇天のような重たいグレーのイメージを持った。
アトウッドの作品を読むのはこの三部作が初めて。目を背けたくなる、有り得なさそうで有り得そうな遠くない未来を描写するパワーの凄さをひしひしと実感した。
最後にメモとしてトロント地元紙によるMADDADDAM製作についてマクレガーやアトウッドへのインタビュー。
https://twitter.com/nationalballet/status/1593736405078900737?s=46&t=kia7SPPY4mCIH2TDT8S83w
マーガレット・アトウッド「オリクスとクレイク」「洪水の年」読了。
マッドアダム三部作のうち2作目まで読んだ。エリート側のジミーが主人公の「オリクスとクレイク」、平民側のトビーとレンが主人公の「洪水の年」。ウイルスによって人が消え失せた地球を舞台に、各主人公たちが過去の回想と現在を行き来しながら物語は進む。エリートと平民の世界はかけ離れて見えるが、二つの作品の人物たちはお互いの物語に登場する。なぜ人類滅亡の危機に至ったのかが次第にわかってくると、人間の傲慢さに頭がクラクラしてくる。この後和訳されていない3作目の「MaddAddam」が控えている。まだ明らかにされていないマッドアダム世界の人物による非道があるのかと今から恐々としている。三部作が完結したのは2013年。もしコロナ禍前に読んでいたら完全なるフィクション、別世界の物語と捉えていただろうが、今読むと現実世界との繋がりがありありとうかがえる。
先月23日カナダで三部作を基にしたバレエ「MADDADDAM」が世界初演を迎えた。殺伐とした重層的な物語の世界をどのようにウェイン・マクレガーは振り付けたのだろうか。このバレエはカナダ国立バレエ団とロイヤル・バレエの共同製作なので、シネマ上映またはBS放送等で日本でも観る機会が今後あることを願っている。
東京都現代美術館のディオール展、初日まで1ヶ月切ったけど、まだチケット発売方法の詳細が出てない。世界中を巡回してやっと日本に来たこの展覧会、日本独自のポスターをよく見たらモデルさんが青いトゥシューズで立ってる…⁉︎これに気付いてからリボンの結び方や立ち方など足もとが気になって仕方がない。
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/Christian_Dior/
最近は展覧会検索サイトが増えているけど、他にも良さそうなサイトあるかな。
展覧会検索サイトはアートスケープを使ってる。全て読み切るのはとても難しいほどの内容量。よく見るのは、オススメ展覧会や巡回展、カタログ&ブックスのページ。
https://artscape.jp/report/review/10180499_1735.html
ダロウェイ夫人で流れるIn the Gardenが好き。これ聴いて寝る~
https://youtu.be/r_9WNifGn4g
美術館・博物館 / バレエ / 映画 / 本 / 日常その他諸々
Like: Museum / Ballet / Film / Book