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マーガレット・アトウッド「オリクスとクレイク」「洪水の年」読了。 

マッドアダム三部作のうち2作目まで読んだ。エリート側のジミーが主人公の「オリクスとクレイク」、平民側のトビーとレンが主人公の「洪水の年」。ウイルスによって人が消え失せた地球を舞台に、各主人公たちが過去の回想と現在を行き来しながら物語は進む。エリートと平民の世界はかけ離れて見えるが、二つの作品の人物たちはお互いの物語に登場する。なぜ人類滅亡の危機に至ったのかが次第にわかってくると、人間の傲慢さに頭がクラクラしてくる。この後和訳されていない3作目の「MaddAddam」が控えている。まだ明らかにされていないマッドアダム世界の人物による非道があるのかと今から恐々としている。三部作が完結したのは2013年。もしコロナ禍前に読んでいたら完全なるフィクション、別世界の物語と捉えていただろうが、今読むと現実世界との繋がりがありありとうかがえる。
 先月23日カナダで三部作を基にしたバレエ「MADDADDAM」が世界初演を迎えた。殺伐とした重層的な物語の世界をどのようにウェイン・マクレガーは振り付けたのだろうか。このバレエはカナダ国立バレエ団とロイヤル・バレエの共同製作なので、シネマ上映またはBS放送等で日本でも観る機会が今後あることを願っている。

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