@miyarisayu うん、翻訳されてない……PDFをもっているんだけど、いります?
宮下さんの投稿を読んで、先日読んだレオ・スタインバーグのテクスト("Contemporary Art and the Plight of its Public")を思い出した。彼は、現代美術との遭遇を「信仰」の問題としてとらえている。それはスタインバーグがユダヤ人だからだろうけど、とても重要だと思う。理解できない作品と出会うとき、ぼくらは「不安」に思い、場合によって「嫌悪」さえ感じるが、そのとき、理解できないものに対する信仰と、自身がいままでもっていた価値観を「犠牲」にする勇気が試されるのだ、とスタインバーグはいう。みずからの「不安」と対峙することは、だから、きわめて政治的かつ倫理的な態度でもある。
河村記念美が休館……けっこうショックでかい。でも河村にかぎらず、今後は休館や閉館に追い込まれる美術館も増えてくるだろうし、遅かれ早かれか……いやー。
みんな弱さや傷を抱えている。それを丹念に描き、そしてそれぞれの生を肯定する。『虎に翼』のことだけど。
資料集めにムサビに来ているけど、卒業生の図書館利用を改善してほしい。地下ライブラリーも使えないし、しかも卒業生だけ16時半まではないよ……!
もうひとつ。転属になったあとようやく家族のもとに帰れるのにもかかわらず、良心の呵責に駆られて吐いているようにみえるが、それとラストシーンにおける未来(現在)のアウシュヴィッツとヘスの嘔吐のモンタージュをつなげて考えると、過去とは、もはや取り返しのつかない出来事であり、そうした未来の博物館になったアウシュヴィッツの姿を一瞬垣間見たことで、ヘスは嘔吐してしまう、そのように解釈しうるだろう。そしてそこに、ガザを無視しつづける現在のぼくらの状況に対する反省的な視点が重ねられる。未来を見ろ、そして現在起こっている出来事は、取り返しのつかない出来事なのだ、と。
美術史をやっています