毎日新聞の災害対応の検証記事、読み応えがあります。
基本的に都道府県が「他人事」というのはなるほどな、と思いました。
「被災地はどこも似たような状況で、県は職員を数人ずつ派遣した。だが、大規模な災害時の支援マニュアルがあるわけではなく、ある被災市町の職員は応援に来た県職員を辛辣(しんらつ)に見ていた。
「座っているだけで何もせず、県民を守る意識に欠けた」」
「県に当事者意識ない」 避難所支援、都道府県に温度差
https://mainichi.jp/articles/20250102/k00/00m/040/206000c
福島復興がなぜこんな時代錯誤なことになったのかについては、ずっと考えているのですが、大きな要因のひとつは、福島県に主導権が渡ったことにあるだろうと思います。
最初から、福島県の対応は「他人事」で、現場感覚をまったく欠いていました。
日常業務で行われていた手続きや、自分たちの縄張り・権限にばかりこだわり、県が出てくると進むものも進まなくなる、と現場では皆がぼやいていました。
その他人事の感覚しか持ち合わせていない福島県が、あたかも当事者であるかのように扱われ出した時期をきっかけに、福島復興政策は迷走、というよりも珍走し始めたのだと感じています。
なによりも「世界に誇る」だの「世界に冠たる」だの、外部へのアピールばかりを優先するようになり、自分たちが汗をかいて、より地域の人を幸せにするため、被災地によりよい復興をもたらすため、という感覚はまったく欠落しています。
確かに国の方針も手放しで褒めるほどよくはなかったのですが、それでも、新しい動きを取り入れ、よりよい復興にしようとの動きはないわけではありませんでした。
福島県は、国に三重の輪をかけて時代錯誤で硬直的で、他人事でした。
その県に予算権限を与えた復興方針が間違っていた、ということに尽きるのではないかと感じています。