リスク学で有名な、リスクの社会増幅フレームワークの発想に従えば、リスク情報は、発信源から受信者に伝わり、さらに受信者が発信源になって、拡大していくことになります。どのように拡大していくかは、それぞれの社会条件によって異なってきますが、増幅効果が高い場合は、そのプロセスそのものをコントロールするのは非常にむずかしくなります。
ここでリスク情報の増幅をコントロールしようとする場合、理論的に、もっとも効果的であると考えられるのは、確実に受信者=発信源となるステークホルダーに情報増幅前に働きかけることです。
情報の増幅機能が、逆に縮小機能に変化した場合、その差は乗数効果ほどは違ってくるはずです。
こういう論理的根拠から、小売りや国外の専門家への事前の働きかけがもっとも効果が高かったのではないか、と指摘しているのですが、対するIAEAお墨付き効果を支持できる実証的調査結果も、論理的根拠も、私は知りません。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/j.1539-6924.1988.tb01168.x