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スー・タウンゼンド『女王様と私』読了。

よくある感じの作者註が最初にあります。「『女王様と私』はフィクションであり、登場人物…はいずれも作者の想像力の産物であり…」といった、本当に普通の注意書き。
ところが、次のページの「主な登場人物」では、イギリス女王エリザベス二世、フィリップ(エディンバラ公)、チャールズ(皇太子)、その他どう見ても見たことのある名前が並ぶため、前述のただの注意書きが何だか愉快な代物に見えてきます。そんなところからして面白い作品です。

内容は、選挙で共和党政権が樹立され、君主制解体が突然決まったイギリスのお話。
女王様一家は、宮殿から公営住宅に急遽引っ越すことに。一家の中には、馴染んでいく人も、適応できない人もいるのですが…。
「なんでも試してみなければ」と挑戦する女王様。当座のお金のために、役所の窓口に人々と一緒に並ぶ女王様。知り合いになった隣人と、バス代が高いと文句をいい合う女王様。
お話の中のそんな「女王様」はチャーミングでたくましく、したたかなところも見え隠れして、個人的には楽しく読みました。
思いっ切り風刺のきいた作品ですが、端々に女王様への親しみが感じられます。

ワクチンの後は、腕の痛みと半日ほどの微熱程度で無事済みました。
そういうわけで、昨日はごろごろしたり本を読んだりでゆっくり過ごしました。
ここの投稿で知った本です、ご紹介と出会いに感謝。

ワクチン受けてきました。
明日は家事以外の仕事は休みにしてあるので万全、かな?
体調悪くならなかったら、読書の時間に使えるかも :blobcatcomfreading:

いつか読みたいと思う本はたくさん。
ここでも、面白そうな本の読書記録にしばしば出会えて嬉しい。紹介してくれる方、ありがとうございます!

ただ、自分が読むペースは全く追い付けないのだけれど。
毎日の生活に追われるし、寝る前に読もうと思ってベッドに持ち込んでも、だいたい即寝落ち。
読んでいる途中でしばらく中断してしまって、どこ読んでたんだっけ?となることもしばしば。
せっかく図書館で借りてきても、読む時間がとれないまま期限近くなったりとか。

でもまあ、読みたい本が積みあがる分だけ、読む楽しみが増えたと思うことにしよう。
今も私のところには、「楽しみ」の山が積み上がっています :ablobcatheart:

米原万里「ロシアは今日も荒れ模様」。
ウォトカが好きで大雑把、でもどこか人が好いロシア人の人物像が鮮やかで、ロシアへの愛情が感じ取れるエッセイです。本書は1998年刊行で、ソ連崩壊の頃のこともたくさん書かれていますが、激動の時代を経た人々のたくましさはすごい。
著者が出会ったいろいろな人のエピソードが出てきますが、エリツィンにゴルバチョフ、ロストロポーヴィッチ、タクシー・ドライバーに日本語ガイドに…といった具合で、有名人も一般人もとても個性豊か。
「ペレストロイカ」などの言葉を大昔に受験勉強で丸覚えした程度の自分にとっては、ロシアの政治家はテレビの向こうの人物でしかなかったわけですが、当然ながら彼らだって、良いところも面白いところもダメなところもある一人の人間なのだとあらためて思わせてくれます。
そしてきっと、ロシアだけでなく、どこの国の人だってそうであり、それぞれに魅力的なのだろうとも思います。

一方で、世界の現状を思うと…。一人一人が魅力的で良い関係を築ける相手であっても、国と国の問題が大きくなると良いところが見えにくくなることもあるでしょう。
このエッセイが書かれてからもう20年以上で、著者の米原万里さんも既に亡くなっていますが、もし現状を見たらどう言われるだろうかと複雑な思いです。

ここでは、書きたいように文章を書いても、文字数制限が緩めなおかげで、比較的1投稿におさめられてうれしいです。
今まで、書きたいことを140字程度に詰め込もうとすると、内容厳選の上で推敲に推敲を重ね…みたいになりがちだったので。

吉村昭「ニコライ遭難」読了。
明治の日本を訪問したロシアの皇太子ニコライが警備の巡査に襲撃されて怪我を負うという、いわゆる大津事件を中心に、その前後の出来事などを描いた小説。

事件発生後、ロシアへの忖度と司法権独立をめぐる日本側の対応の顛末も興味深いのだけれど、個人的に印象に残ったのは、襲撃時にニコライを助けた人力車の車夫。
国賓一行を乗せる人力車の車夫に選ばれたのだから、きっと真面目で優秀だったのだろう彼らが、襲撃の際にニコライを助け、莫大な褒賞を受けるが…。ラスト数ページで書かれたその後の様子を読んで、思うところがあった。
真面目に仕事を頑張り、大事な仕事に抜擢され、さらに人を助けたりもした彼ら。おそらく、政治とか思想とかのためというよりは、単に目の前でお客さんが襲われたから咄嗟に助けに入った、という部分が大きかったのではないか。それは等身大の大変真っ当な生き方であるように思われるのに、しかし「その後は幸せに暮らしました」とはならなかった。後日談は短い淡々とした描写だったが、まさに歴史に振り回された小さな一個人という感じで切ない。

いつの時代でも、ここまでではないとしても、自分にはどうしようもないことに振り回されつつ何とか生きていかざるを得ないこともあるよね、と少し思った。

新規です、よろしくお願いします。
本を読んだりしながら引きこもって暮らすのが好きです。出かけて楽しいのは図書館。基本的には小説読みですが、とにかく文字ベースで表現されたものを読むのが好きなので、本でもニュースでもネット記事でも何でも読みます。
そういうわけで、タイムラインも楽しく眺めています。長文が比較的多いのも嬉しい。
ここでは、ハッシュタグのフォローやキーワード購読などで、見たい話題をふわっと絞り込める感じが便利そう。まだ慣れていませんが、いろいろ機能があるようでありがたいです。

Fedibird

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