これらの3組、ルーも、弥恵もクェスも亡くなってしまう。3人に共通するのは〝いい子〟にこちら側に来ないようにと一線を引くところ。めちゃくちゃ傷つけながらも相手のことを大事に思ってるのだろう。弥恵は自分のクスリ体験をあけっぴろげに語るのだけど、妹や弘隆には絶対にクスリをさせなかった。なまじ分別があるが故に、自分が〝いい子〟の側にいけないと思い知って(それも思い込みなのかもしれないが)絶望している。私は子供の頃、多恵子を自分に重ねてルーのことを思って(実際にそんな知り合いはいなかったけど)、それで弥恵やクェスのことも考え続けている。