感想 西川勝人展 DIC川村記念美術館
「静寂の響き」という展覧会名のとおり、静けさや時間が、立体や平面作品に凝縮されていた。
一人の作家による彫刻、インスタレーション、絵画。バウハウスの地を目指して渡独した人らしく、デザイン的でもあり、古代ローマの異物、侘び寂びの茶碗のような質感、ウニや貝の殻、宇宙人の忘れ物のような繊細な形状…
手触りを確かめたくなった(もちろん触らないが)
収蔵品展もすばらしかった。赤色の連作のロスコルームは人体の中にいるようでドキドキする。ステラの大きな作品は目の前に立ってこそめまいのような感覚を味わえる。コーネルの箱にはユーモアと廃墟が詰まっている。
レストランは平日午後の遅い時間なら待たずに入れた。噴水の池に白鳥が泳ぐのを見ながら、食用ホオズキなどを食べた。王侯貴族か。
緑や地形の豊かな庭園と端正な建物の中で近代から現代の佳品を鑑賞する贅沢。豊かさ。
美術館、閉館しないでほしい。