感想『悪童日記』
思っていたのと違った。子どもが主人公の戦争小説というか、戦争戯曲だ。
第二次大戦下、ハンガリーと思われる国。田舎町で、初めて会う祖母の所に疎開させられる双子の少年。祖母は意地悪で貧しく、独りでしぶとく生きている。
少年達は耐えがたい境遇を、知恵を回し、自らを鍛え抜くことで生きのびる。どんな苦痛にも何も感じなくなる。時々、やるべきことはやる。
殺し、盗み、暴力、虐待、性加害。迫害があり、戦争は終わっても圧政が続く。
双子というのが、助け合う相棒のようでもあり、自分一人との対話のようでもある。
100年にも満たない少し昔の欧州はこのようだったのか。また戦争が始まればこのようになり、今も戦争をしている所ではこのとおりなのか。
兵士達だけでなく、戦地から離れた庶民も地獄を見る。
原題は大きなノート、双子が事実だけを描くことにした作文を思わせるが、邦題に日記とあるように、一つ一つのエピソードは短い。遠慮なく暴露される悪夢のような日常。その中で生きて死んでいく人々。
I've recently discovered that there's at least one creator who posts amazingly high-quality mathematical visualisations to TikTok. Sorry Americans.
アゴタ・クリストフ『悪童日記』を読み始めた。
数年前にTwitterの名作ボットの文章で興味をもったのがきっかけ。
おばあちゃんが魔女と呼ばれるのもわかるような意地悪で、その人生に何があったのか。
悪童達、それはダメだろという悪戯もしているが、何をやるべきなのかを子どもなのに知っていて実行する。
感想 漫画『三角兄弟』
全十四話で完結。SF要素もあり、それ以上に登場人物やその関係性が魅力的で、とても面白かった。
一話目から滅亡の危機で日常ほんわかだった。
無関心、阻害、職務への隷属がリアルで、理解のある優しい他人、きっかけがあればやる気になる地球人は理想だ。
子どもも楽しそうで、大人にも楽しみがある。旅の楽しみは作者の経験の反映か。
子どもを産み育てるのもすばらしいし、血のつながりのない者同志が一緒に暮らすのもすばらしい。
生きたり死んだりを肯定できるようになりそうな作品だった。
自分のお気に入りの、うさんくさく慈愛あふれるチートキャラの多宇、死に場所を探していたのか。
漫画『宝石の国』と共通点もあると思うけど、本作のほうがスケールやディテールが日常寄りか。
地球人類が滅びる前に知的生命とのコンタクトができるかわからないけど、その人達も、広い宇宙の中で多様な生命が活動することや新しい物が生まれることは良いことだ、好きなものがなくなるのは悲しい、という共通の価値観であってほしい。
図書館の出張所にあった本。歴史の本として借りてみようかと思ったけど怖すぎた。
中高年で、独身で、ひとり暮らしで、人づき合いが少なく、物をはっきり言う人、魔女の疑いをかけられる条件に多く当てはまる。理不尽だ。
自宅の前の建設中のビルが高くなってきて悲しい
引っ越した時は遠くの山々まで見えたのだが。
周辺住民への建設説明会では、企業の重役が「もっと高層にしたかったけど、自治体の建築制限があって残念です」とか言っていて、説明会の担当にしちゃだめな人だろと思った。従業員に緑が見えるオフィスビルにするのが自慢だそう。
もう屋上かと思った所に、さらに足場が高く組まれてきていて、近所の雑木林も見えなくなりそう。
説明会の時や、立看板に申し立てがある場合の連絡先が書いてあった時に、あまり高層にしないでと言うべきだったのか。
都内に住んでいた頃と比べたらまだ空は見えるし、24時間ずっと外を眺めているわけでもないが、ふと目を上げた時に、窓の外がオフィスビルの壁でいっぱいになってさびしい。当たり前に享受していた緑の風景の喪失。
近所の自然がすべて無くなったわけではないので、まめに散歩に出るしかないか。
貉藻という東亜酒造の清酒を買った。
ムジナモと読む。そんな名前だと買ってしまう。お燗してもよいというし。
鳥展に行ってきた
上野の国立科学博物館の鳥展に行ってきた。
剥製がメインだが、新しい分類など最新の研究成果も解説している。最初に絶滅から始まるのが重い。鳥も人間と同じく地球環境の一部。続きは恐竜の頃からの鳥の進化で、鳥類学の入門の感がある。
全分類のそこに属する鳥や、形態や活動の特徴ごとに展示していた。日本に生息する鳥のほか、海外の鳥は初めて見るものもあった。
剥製なので少し傷んでいたりするが、大きさが分かるのがよかった。個人的には、ダイサギ、チュウサギ、コサギが並んでいたので特徴を把握できた。
すごく混んでいたし、低い位置の展示は見づらかった。映像や鳴き声の展示も少しあった。
近所の自然史博物館で地域の鳥の展示を見たり、生きている鳥の観察をしたりしたくなる。
常設展のほか貝展も開催していた。一日では見きれない。
ダイバーシティーが消えるのが怖い
米国発の某サービスを使っていて、多様性を尊重します、といろんな所に書いてある。これが今年から消えていくのか?
なんとかファーストと言い出すのは、多様性を尊重したり、弱者を支援する余裕もない、我利我利亡者の帝国主義で、人災の繰り返しをするのではないか。経済はすぐに好転しなくても、せめて多様性くらい大事にできないか。
弊社の状況も不安だ。私が就業した時はダイバーシティーの研修が定期的にあった。そこでAllyという単語も知った。今は研修をしていないばかりか、「社外向けイベントでLGBTの話はしないようお願いします」とわざわざお達しがあったり、オフィスで上層部の男子達が差別発言の極右の政治家が好きだと笑いながら話したりしている。怖い。
漫画、SF、動植物などが好き