朝起きるたびに同じことを思うけど、僕は自己意識を持ちながら死ぬことを運命づけられた人間のような動物に本当に興味が尽きないよ。生きていることは奇跡というけれど、それは確率論的に正しいってだけではなく生物学的にもそうで、高校の生物基礎の教科書をパラパラするだけでも人体のバロック的な精巧さに圧倒される。こんな複雑なものはとても自分には作れないと思う。
ラスタとキリスト教の関係については以下。
「まず、聖書宗教としてのキリスト教、ラスタファーライの世界は、イエスとセラシエどちらの救世主が正しいのか、という闘いである。一神教の世界というのは、自分が信じている神こそが唯一の神だという世界なので、イエスもセラシエも両方好き、という答えは原則的に成り立たない。この二者択一のライバル関係の論理にしたがって、白人VS黒人といった「人種」や悪と善といった倫理が対立的なものとして積み重なっていく。ジャマイカでは圧倒的多数がキリスト教徒なので、キリスト教をライバル視し、のりこえていくところにラスタファーライの革命性があり、それがしばしばマジョリティからの嫌悪を呼び起こしてきた背景のひとつになっている。」
https://hagamag.com/series/s0053/6493
ハイレ・セラシエ1世について。
https://www.historist.jp/word_w_ha/entry/046606/
“Tricky Kid”の歌詞の全文。
https://www.songlyrics.com/tricky/tricky-kid-lyrics/
ちなみに“Christiansands”という曲の歌詞の中にもキリスト教が登場する。
“I've met a christian in christian sands, a devil in Helsinki”
https://youtu.be/0vtRiHt73iY
同郷のトリッキーの“Tricky Kid”って曲の歌詞もジャマイカの宗教的背景を抜きに解釈することができない代物で、なぜ両者ともジャマイカなのかといえばそれはブリストルが奴隷貿易の中継地点だったからなんだけど、当時も今もトリップホップの「ブラックネス」については十分に語られていない気がするのでここでちょっと紹介したい。同曲の以下の下り。
Here comes a Nazarene
Look good in that magazine
Haile Selassie I
They look after I
God will receive us
Got me like Jesus
God will receive us
Got me like jesus
Mary magdaleine
That'd be my first sin
Being with this temptress
"Tricky Kid" を YouTube で見る
https://youtu.be/M4ijSxDcJ7c
Twitterはまだまだ重要な情報のハブなんだなと実感した。今回のワグネルの件でも各国の人々のリアクションをリアルタイムで追えるっていうのは本当にありがたいことだと思ったし、なんかあったときのライフラインとして国を跨いでも機能しうるのは今でも実質的にTwitterだけだと思う。
マッシヴ・アタックの“Karmacoma”のサビ、どこの歌詞サイトでも“Jamaica & Roma”となっているけど、ビデオクリップを製作したジョナサン・グレイザーの言うようにちょっと聴くと“Jamaica Aroma”という風にも聞こえる。いずれにせよそこで仄めかされているのはおそらくレゲエ・カルチャー(「ジャマイカの香り」)とラスタファリズム(「ジャマイカ対ローマ」)だと思うんだけど、そう考えるとあのビデオは単にキューブリックのパロディというだけでなく、西洋=バビロンの退廃的な一部始終を捉えたもののようにも思える。
「業、昏睡、ジャマイカそしてローマ」
"Massive Attack - Karmacoma" を YouTube で見る
https://www.youtube.com/watch?v=Vi76bxT7K6U&feature=youtu.be
ありゃ、入ってなかった…
これですね。田中勝則プロデュースのウィルソン・モレイラのアルバム。
Wilson Moreira “Peso Na Balança”
(https://www.discogs.com/master/1243786-Wilson-Moreira-Peso-Na-Balança)
Le combat d'Omar Frantz Fanon | Cairn.info https://www.cairn.info/revue-pensee-plurielle-2012-1-page-149.htm
«?Libération nationale, renaissance nationale, restitution de la nation au peuple… quelles que soient les rubriques utilisées ou les formules nouvelles introduites, la décolonisation est toujours un phénomène violent?»
La décolonisation n’est donc pas une mystification, ni un phénomène magique?; il s’agit bien d’un processus inéluctable dans l’acte décisif de remplacement inévitable du colonisateur par le colonisé?; c’est l’étape nécessaire à l’appropriation par la force de l’identité nationale, de la terre, de la culture et de soi-même.
ダサいレーベル名のせいで音楽好きからシカトされがちな村上龍のレーベルからも2枚選びました。同じようなことをブラジルでしていた日本人に田中勝則という人がいて、彼のプロデュース作品からも1枚、ウィルソン・モレイラのアルバムを追加。両者の名前を同じリストに入れられたことを嬉しく思います。
80年代後半からバブルを経て90年代末頃までの日本と「世界」との関わりに思いを馳せるのも一興でしょう。
「ワールド・ミュージック」については、デヴィッド・バーンがニューヨークタイムズに寄稿した“I hate world music”という記事(https://query.nytimes.com/gst/fullpage.html?res=9901EED8163EF930A35753C1A96F958260)
は今なお重要。
興味を持たれた方のために、マーカス・ガーベイの脱国家的抵抗運動
(https://www.history.com/topics/black-history/marcus-garvey)
やフランツ・ファノンの『地に呪われたる者』などを改めて推薦しておきたいと思います。
(I can't stop loving you)
I've made up my mind
To live in memory of the lonesome times
(I can't stop wanting you)
It's useless to say
So I'll just live my life in dreams of yesterday
(Dreams of yesterday)