ただ「そしてもう片手には」と、句読点なしで段落を終わればいいだろうか。しかし日本語ではそうすると、その先には文が続きうる。
英語では、SVでぷつりと切れていれば、Oの名詞句が抜けているとしか考えられない(したがって次の段落が名詞句でなければ、読者はつながっていないものと判断できる)。が、日本語ではSでぷつりと切れているとき、読者はその先にOVを予測する。そしてOVというのは日本語の場合、(主語が空の)完全な文でもあるので、多少意味的に無理があっても統語的につなげて読んでしまい、抜けがあるという読みをしないおそれがある。