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「One hand held [ここに1個めのものがはいる], and the other hand held」

という途中で文が切れて段落が終わる文章を翻訳するとき

「そしてもう片手には■■■■■■■が」

という苦し紛れの翻訳を以前した。目的語の不在を伏せ字に置き換えたもの。「そしてもう片手には……」と終わっても悪くはないのだが、文脈上もう少し欠落感がほしいかなと思った。

ただ「そしてもう片手には」と、句読点なしで段落を終わればいいだろうか。しかし日本語ではそうすると、その先には文が続きうる。

英語では、SVでぷつりと切れていれば、Oの名詞句が抜けているとしか考えられない(したがって次の段落が名詞句でなければ、読者はつながっていないものと判断できる)。が、日本語ではSでぷつりと切れているとき、読者はその先にOVを予測する。そしてOVというのは日本語の場合、(主語が空の)完全な文でもあるので、多少意味的に無理があっても統語的につなげて読んでしまい、抜けがあるという読みをしないおそれがある。

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