@fujio0311 歌ってる時よりマイク持って「我々は問題を抱えている。集まっていただいたのはそのためだ。」とかマイク持ってスピーチ始めた時が1番ぞくっと来たけど、どうなのかなそれも…ねずみ講の親玉感はすごかったけど…
MET『魔笛』法律事務所みたいな神殿にザラストロが現れた瞬間一気に跳ね上がる胡散臭さよかったんだけど声にもっと迫力というかバロック的な夜の女王をそれこそ鉄板で押し潰すような水平に響き渡るような力が欲しかった気もする。外見が1番面白い。でもまあ、特にこの演出だとザラストロはそれでいいのかなとも思う。舞台の上で家父長制に力を簒奪されても床が抜けるほどの拍手をもらうのはこのオペラが残る限り夜の女王だから。しかしパパゲーノの「フルートなんかほっとけよ。それよりカンノーリ食おうぜ。」だけなんで英語だったんだ。アドリブだからか。ネーデルランド室内管バージョンを見直してから行きたかったな。
昨日のNTL クリント・ダイアー演出『オセロー』でデズデモーナの裏切りへの義念からパニックに陥るオセローを囲むようにブラックフェイスの面をつけたモブが盾を警棒で叩き威嚇する時、ベネツィアでその武功により尊敬を集める将軍ではなく社会から阻害され追い立てられる「ムーア」になるという場面が凄かったな。人種差別と性差別をヒエラルキーの問題として展開させることでイアーゴの嘘に苛まれる哀れな英雄ではなく人種のヒエラルキーの中で孤立し、その不全感の解消を家庭内で後ろ盾を失った良家の女であるデズデモーナに向けるオセローになってた。そして人種のヒエラルキーにおいて優位にあるはずの自分が社会のヒエラルキーで劣勢に置かれる忿懣をやはりエミーリアにぶつけるイアーゴを反復している。降りたり登ったりするでけ盛り上がる舞台を囲んでる階段も暗闇の中にモブを消してしまう照明の演出も面白かった。
筏