『異常論文』で注目していた青島もうじきさんの初単著『私は命の縷々々々々々』(星海社)をお送り頂きました。人類が様々な生物の生殖方法を取り入れるようになった近未来を舞台に、ドウケツエビの生態を持って生まれた性が未分化な語り手の学園生活を描く、極めて思弁的なSFで非常に面白かったです。優れた自分はひとりで増えるべきと考えているミジンコの生活環を持った幼馴染がいたりする。
障害者雇用の場合、障害者側に仕事を選ぶ自由はないから、その企業がどれだけ社会的に評判が悪く倫理に反した業態であっても辞退することができないという事実がある。代わりの職場が見つかる可能性は極めて小さいので収入を得るためには内定が出たところに取り敢えず入社しなければならない。
そういう意味で、障害者は「地元最高!」の底辺ギャルたちと大して変わらない。
寄ってたかって殴られるというのは、中学生で米国から日本に帰国して最初の1ヶ月はそんな感じだったので、他人事ではないというか、あの私をわっと囲んで誰が誰だかわからんような状態で集団でひとりを殴りつける時の一人一人の表情とか思い出すんだよな。楽しくて仕方がない、かつ何かに憑かれているような顔。一対一ではない、集団に埋没して暴力を振るう楽しさみたいなものを日本の社会はいまだに保持していると思う。
一人ずつ呼び出してやり返したんで半年後には無くなった。しかし今でもその陰惨な、自分も含めてとても嫌な気分になるし、いまだに集団でつるんでその勢いで乱暴になる日本の日本人になんとなく警戒を解くことができない。日本で就職もせずフラフラしているのはその必要をあまり感じないからではあるが、背景に幾許かはその影響がある。