海に眠るダイヤモンド、最終回よかったな……。『犬王』観たときもちょっと思ったんだけど、野木亜紀子はたぶん「歴史に名を残さずともそこには人間が確かに存在した」ということを描くのがうまいんじゃないかな。
野木亜紀子の脚本、面白いんだけどやっぱ合わない部分もあるな〜と思う。でもストレスはそんなに感じないから合わないところがあってもわりと楽しく観れる。
海に眠るダイヤモンドの話
しかし労組の話(5話)、出てきたけどちょっと労組の影が薄くて、労働者個人のプライドの話(それはそれで大事なんだけれども)に終始してしまってる気がして、なんなら賢将に対する態度によって印象があんまり良くない感じに描かれてる(ヤクザが入り込んでたので仕方ない部分もあるけど、もうちょい階級闘争的な意味合いも持たせられたはず)の、なんだかな〜という気持ちもある。てか放棄の判断は緊急でもあったしそこは仕方ないにしろ、最初の火災から3日あったわけでその間に今後についてちょっとは労使交渉くらいしないです? 労災だから補償とかの話もしなきゃだし。まあ放棄が決まったあとここからどう動くか次第かな……。
海に眠るダイヤモンド7話
エグいな〜。炭鉱長の判断、人命を優先することは使用者としてかなりまっとうで、しかし労働者にとって廃坑は生活の糧や誇りを無くすという話なんだよね。そして炭鉱長は上層部の「様子見」という判断を放棄し利益を損失させたことになり、立場が厳しくなるという。
炭鉱夫の島である端島をアイデンティティの核としていた鉄平が自らの手で炭鉱を止めるのも、炭鉱夫である進平がその炭鉱とともに海に沈もうとしているのもかなりエグい〜になってる。
今日は『タクシー運転手』、『1987』、『南山の部長たち』を続けて観た。今年『ソウルの春』を観てから観ようとは思っていたけど、厳戒令のことがあって改めて今のタイミングだと思って一気見をした。あわせて『ペパーミント・キャンディー』のことも思い出す。
映画『ラストマイル』のアナキズム要素について
ラストマイル、改めて筧まりかに心を寄せてしまうな……。非暴力では何も変わらなかった大企業を、暴力に抵抗するための暴力で、ようやく少しだけ、そして意図とはすこし異なる形で動かした。無論、市民を無差別に狙ったことについては明確に良くない。だけど、わたしたちの本来多様な欲望が大企業や資本主義によって、ひとつのモノへ向けられるように仕向けられた社会に対して疑問を抱かず、モノを手に入れることで欲望を満たそうとするその態度は、結局体制に飼い慣らされていることに他ならない。筧まりかがそのことに思い至った末に実行したのだとすれば、わたしたちは果たして無辜の市民でいられるだろうか、と思ってしまう。
筧まりかが見落としていたのは、大企業と顧客の間に、それを運ぶ労働者がいるということ。エレナはこの労働者の目線の方を掬い上げたからああいう結末になった。筧まりかには、それを目の当たりにしてほしかったと思う。
エレナはむしろ山﨑佑の側でもあるので、もっと筧まりかに心を寄せてもよかったのでは、と個人的には思うけれど、欲しいものを「全部」と言って憚らないエレナは優良な顧客そのものなので、落としどころはそこかもね、と思う気持ちもある。
オアシスの来日公演、ここで乗らずにいつ乗るんだの気持ちもあるが、今年のフジでのノエルのド直球人種差別発言で萎えてるからわたしはスルーかな……。いくら昔からのお決まりのジョークだったとしても、そもそも許して良いものじゃないでしょう。リンク先はXです。
https://x.com/walknpaddyshore/status/1817566394965512316?t=DDhO_rtGT48YQPTMfF22KA&s=19
成人済みおたくでクィアのアナキスト(they/them)/映画と音楽/トランス差別とあらゆる差別に反対