大恵和実編『長安ラッパー李白』灰都とおり「西域神怪録異聞」読了。
これ難しいな。わたしの力では作品の芯が掴めない。西遊記の成り立ちに関するメタフィクション。何重にもなったカーテンを捲っていくような読み心地。読んでてわりと迷子になる。台詞と景色はとてもいい。幻惑。

大恵和実編『長安ラッパー李白』円城塔「腐草為蛍」読了。
唐の成立と前唐の歴史を、年表と家系図で手繰って綴っただけのお話(随と唐の関係ややこしいよう。武則天もっと掘り下げて欲しかったよう)なのですが、そこに、北方の騎馬民族の「人馬一体」を字義通りに解釈した要素を一点加えるだけで、妙なおかしみが生まれています。

フォロー

大恵和実編『長安ラッパー李白』祝佳音「大空の鷹――貞観航空隊の栄光」読了。
唐の高句麗遠征を戦闘機の乗員の視点で語ったもの。若干悪趣味なパロディ。大唐の世界帝国さを表現するのに、黒人奴隷を出すのはちょっとどうかと思った。さりげなく皇帝が人外でいいですね。用語が逐一それっぽくて楽しい。言葉は世界ですよね。
動力が内燃機関ではなく、牛なめし革を束ねたもの、つまりゴムの弾性力で動いてる世界らしいのですが、あんまり上手く想像できなかったです。

大恵和実編『長安ラッパー李白』李夏「長安ラッパー李白」読了。
意味不明だけど、カラフルな文章で楽しかった。このお話の長安は機械化されており、不調子に喋ると都市が崩壊するので、美しく話せる者以外は沈黙している、という設定です。苦境を訴える声は整っていないので、都市の防衛機構で強制排除されます。李白はそんな都市の在り方に異を唱え、都市は崩壊して終わります。
欲を言えば、漢詩も併記して欲しかったです。

大恵和実編『長安ラッパー李白』梁清散「破竹」読了。
竹文明が崩壊して木文明にシフトした世界が舞台。竹文明崩壊の理由が面白い(個人的には安禄山の関与は要らなかった)。竹文明と木文明の差異が僅かで、主人公の目的と世界の趨勢は関係ないっぽいので、分かりづらい。竹簡の破損=歴史や文化の喪失はもっと掘り下げて貰いたかったかも。

ログインして会話に参加
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。