で、まあ、感想と言えば原作と同じになってしまうのですが。
この作品は、露骨にあの事件がモデルとなっているのですが、そのことに対してわたしはあまり忌避感がないのですね、この作品に関しては。
所詮無関係の他人からの感じ方になるのですが、この作品からわたしが感じるのは、鼓舞と讃歌で。
現実ではあったことはなかったことにできないけれど、創作からなかった可能性を形にすることもできる。これは祈りですねよ。
んで、京本があの時あの部屋から出ようと出まいが、京本は絵を描くし、藤野は漫画を描くんですよ。これ多分、運命とかそういうものじゃなくて。
だから、藤野があの時漫画を描こうが描くまいが、そう大きな違いはないんですよ。
あの二人は、出会おうが出会うまいが、絵を描き続けるし、漫画を描くんですよ。
でも、藤野があの時漫画を描かず、京本が部屋から出なければ、二人でクレープを食べることはなかったね、と。
京本があの時あの部屋から出て意味があったのは、そういう他愛もないところにあると、わたしは感じているんです。
うーん、感想がぐちゃぐちゃになってしまった。
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