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『ルックバック』を見た。原作既読。
映画みたいな漫画を映画にするとして、それって面白いんだろうかと思うのですが、面白かったですね。印象が足さず引かず原作と同じで凄かった。
不満と言えば、BGMが少々うるさいところと、練習のスケッチの絵が初発からいきなり上手いところぐらいですかね。
あー、あと、せっかくの山形の郊外が舞台なんで、もっと背景美術の出番が欲しかったかな。てんとう虫とセミと蛾以外にも虫も見たかった。
でも、水分の多そうな重い雪の質感が最高だった。
原作のほうはとにかく背中を印象付けてきますが、アニメのほうは繋いだ手を押し出していたなあ、と思いました。

で、まあ、感想と言えば原作と同じになってしまうのですが。
この作品は、露骨にあの事件がモデルとなっているのですが、そのことに対してわたしはあまり忌避感がないのですね、この作品に関しては。
所詮無関係の他人からの感じ方になるのですが、この作品からわたしが感じるのは、鼓舞と讃歌で。
現実ではあったことはなかったことにできないけれど、創作からなかった可能性を形にすることもできる。これは祈りですねよ。
んで、京本があの時あの部屋から出ようと出まいが、京本は絵を描くし、藤野は漫画を描くんですよ。これ多分、運命とかそういうものじゃなくて。
だから、藤野があの時漫画を描こうが描くまいが、そう大きな違いはないんですよ。
あの二人は、出会おうが出会うまいが、絵を描き続けるし、漫画を描くんですよ。
でも、藤野があの時漫画を描かず、京本が部屋から出なければ、二人でクレープを食べることはなかったね、と。
京本があの時あの部屋から出て意味があったのは、そういう他愛もないところにあると、わたしは感じているんです。
うーん、感想がぐちゃぐちゃになってしまった。

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