浜忠雄『ハイチ革命の世界史』読了。
ハイチのことをほとんど知らないので、読めて良かった。
読んでて、『風の谷のナウシカ』の「私達は 血を吐きつつ くり返し くり返し その朝をこえて とぶ鳥だ!!」という台詞を思い出しました。
はじめにを引くと、“「ハイチとはどんな国か」を説明するときには、「世界初の黒人共和国」と「西半球の最貧国」の二つがキーフレーズになるのだが、〈略〉本書が着目するのは「世界初の黒人共和国」誕生の歴史、「ハイチ革命」である。”といった感じの新書です。
要点が分かり易かったです。
ハイチの旧宗主国はフランスで、ハイチで革命(独立戦争)が起きている最中にフランスでも革命が起きていて、ハイチの交渉相手が王国→共和国→帝国→王国→共和国と、本書ではほとんど説明もなくぬるっと変わってたりします。
フランス革命と言えば人権宣言なのですが、この人権宣言がうたうところの「人間」とは何か、といったところにも筆を割いています。
わたし達は人権宣言後の世界に生きていますが、それと同意義にハイチ革命後の世界に生きているのだと、本書は訴えているのだと思いました。
#読書
いやまあ、ハイチはいつまで血を吐き、何度朝を乗り越えなければいけないのかと、思いますよね。
そういう世界の在り方は呪わしいし、わたしはそういう世界を構成している一部です。
一方で、ハイチは自らを自ら力で勝ち取ったのだと、そういう世界にわたし達は生きているのだと鼓舞してる、と思う。