『ゲゲゲの謎』は『総員玉砕せよ!』のその後の話なのですが、「総員玉砕せよ!」と言わしめたものが何なのか、それはまだ終わったことではないと、ふんわり踏み入っていて、良かったですね。
あくまでふんわりですが、突き詰めると話の収拾が付かなくなるので。だって現実で総括されてないものな。
『ゲゲゲの謎』の舞台は昭和31年なのですが(ガチっと時代設定決めてるとこ、覚悟が決まってていいですね)、昭和31年と言えば高度経済成長期真っ最中で、経済白書で「もはや戦後ではない」と謳われた時代ですね。
『ゲゲゲの謎』では、高度経済成長期を戦後の希望に満ちたものだと語ると同時に、戦争の変奏でもある(企業戦士とかですな)と見做していて、そこら辺、グッと来ますよね。総括されていない、終わっていないものの延長に、今がある。
んで、昭和31年と言えば、水俣病の一号患者が公式確認された年なんですよね(作品には直接の関係はないけれど時代背景として)。