プリーモ・レーヴィ『休戦』読了。
ソ連による絶滅収容所解放後、ユダヤ系イタリア人の作者が東へ東へ移送され、イタリアに帰国するまでの9ヶ月を書いた本。
終戦直後の混乱期の話はほとんど知らないので、この本を紹介してもらって良かった。
作者が見たもの、出会った人、感じたことを余すことなく書いて残しておこうとしているかの、記述が非常に細かい。ていうか、観察力と記憶力がすごいな。
書かれている物事は具体的なんだけど、書き方は比喩が多くて観念的。
びったり付いてる脚註での、固有名詞や符牒の解説は非常に助かりました。
脚注、とても助かったけれども、表現や内容の解釈にまで立ち入るのは如何なものかと思います。
登場人物のキャラクターが立っていて、スラップスティック・コメディ的な場面もちょくちょくあって、読んでいて面白かった。
#読書
プリーモ・レーヴィ『休戦』は、著者が強制収容所に収監されている段階では出会うひとりひとりを克明に記憶に刻みつけようとしているのに比して、東へ移動させられるにつれ、その鮮明さが鈍っていってるのが興味深い。
村の映画祭を襲撃するソ連兵はモブだし、やっと帰った故国で会う人は背景同然で。