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目からウロコだった……!

よかったら考えてみて。
この写真は2012年11月、上海にある寿司屋の看板。そこには中国語で「尖閣諸島は中国のもの! 寿司は中国のもの!」と書いてある。あなたはこれを見て、どのような印象を持ちますか?どのように解釈できますか?

後で覚えてたら、この本で提示されてるひとつの解釈をトゥートするね

· · SubwayTooter · 1 · 2 · 3

さて、前提としてこの写真が撮影されたのは、尖閣諸島を巡って中国で抗議デモが相次いで起こった時期だったことを理解しておかないといけない。その中で一部の暴徒化した人達が、日系スーパーや路上の日本車を襲撃するに至った。

では、この寿司屋の店主も「反日感情」でこの看板を掲げたんだろうか?領土問題で強い主張があり、ついでに寿司も中国文化だと言いたいんだろうか。

ここで一旦立ち止って、店主がその時置かれていた立場を想像してみよう。
考えてみれば、この抗議デモで被害に遭った人の大半は中国人。荒らされた日系スーパーの復旧作業に当たった従業員も、日本車に乗っていて襲われて重症を負ったのも、中国人。そしてそんな状況下だから、多くの日本料理店はデモの間は休業して、看板を隠したり、中国国旗を掲げたりして、暴徒から襲撃されないように自衛した。

つまり。この寿司屋は、寿司屋というだけで襲撃を受けかねないから、「尖閣は中国のもの」という看板を出しておくことで店と従業員を守っていた。あるいは、日本への反感が高まるムードの中でも寿司を食べてよいという大義名分のために、「寿司は中国のもの」と看板を出していたのかもしれない。

>>「日本人」と「中国人」の区別なく、一つの食文化が共有され、それで生計を立てる人々が存在し、そのために「反日」的な暴徒に襲われる危険と隣り合わせの状況に置かれていた…

中国にそういう事情を抱えた人達がいたわけだ。
もちろん本当のところは店主に聞いてみなきゃわからないけど、でも考えてみれば、本気で日本を嫌っているのならたぶん寿司屋なんて開いてないよねという。

一面だけ見て反射的に「反日だ!」ってわかった気になるのではなく、こんなふうに「他者の立場に立って考える」。これが社会学という学問です、という例に使われていた話でした。おしまい。

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