テイレシアスはギリシャ神話に出てくる盲目の預言者。
オウィディウスの『変身物語』によると、テイレシアスが預言者になった次第は次のとおり。
あるとき彼は森の中で交尾している二匹の蛇を見て、杖で殴りつけた。すると男であったテイレシアスは女に変わり、そのまま7年間を過ごした。8年目にまた同じ蛇たちに出会って杖で殴ると、もとの男にもどった。このことがあって、彼は男女双方の性愛に通じることになった。
ユピテルと妻のユノーが、男女どちらの性的快感が大きいかで言い争ったとき、テイレシアスはユピテルに味方して、女の快感のほうが大きいと言ったため、ユノーに憎まれて盲目にされてしまう。
神々の世界では、ある神がしたことの効果を取り消すことは、どんな神にも許されない。そこで全能の父である神は、視力を奪われたテイレシアスに予言の能力を与えて、罰を軽くした。