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ギヨーム・アポリネールの戯曲『テイレシアスの乳房』に「ザンジバルの民衆」という役がある。戯曲の舞台であるザンジバルの民衆という意味だが、一人で演じる。
劇中の効果音――太鼓、アコーディオン、ラッパ、鈴、カスタネット、銃声、雷鳴、皿の割れる音など――は、すべてこの人物から発せられる。この役に割り当てられた台詞はないが、メガホンの役をするときは台詞を言う。

『テイレシアスの乳房』粗筋
前半 johf.com/memo/045.html#2024.4.
後半 johf.com/memo/046.html#2024.5.

テイレシアスはギリシャ神話に出てくる盲目の預言者。
オウィディウスの『変身物語』によると、テイレシアスが預言者になった次第は次のとおり。

あるとき彼は森の中で交尾している二匹の蛇を見て、杖で殴りつけた。すると男であったテイレシアスは女に変わり、そのまま7年間を過ごした。8年目にまた同じ蛇たちに出会って杖で殴ると、もとの男にもどった。このことがあって、彼は男女双方の性愛に通じることになった。

ユピテルと妻のユノーが、男女どちらの性的快感が大きいかで言い争ったとき、テイレシアスはユピテルに味方して、女の快感のほうが大きいと言ったため、ユノーに憎まれて盲目にされてしまう。
神々の世界では、ある神がしたことの効果を取り消すことは、どんな神にも許されない。そこで全能の父である神は、視力を奪われたテイレシアスに予言の能力を与えて、罰を軽くした。

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