夜霧を歌った戦前の流行歌(歌詞かタイトルに「夜霧」を含むもの)
1939 さらば上海 李香蘭
1939 港シャンソン 岡晴夫
1941 夜霧の馬車 李香蘭
1939年の2本は、いずれも上海を舞台としている。41年の「夜霧の馬車」には具体的な地名がないが、歌詞に「波の上浮かぶジャンク」「月に胡弓の流れる町を」などとあって、中国が舞台。
探してみたが、夜霧を歌った戦前の歌謡で日本を舞台としたものは今のところ見当たらない。戦前の日本では、上海の夜霧をロマンチックに感じても、国内の、たとえば東京の夜霧にはそんな思いを抱かなかったのかも。異郷感の有無?
#上海 #夜霧 #李香蘭
年間の霧発生日数を、太平洋戦争終結(1945年)の前後で比べると、戦前のほうが多い。夜霧に限定したデータではないが、夜霧についても同様の傾向だったろう。
夜霧の歌がさかんに作られた戦後より、戦前のほうが霧は多く発生していた。かつての日本の夜霧は、忍び逢う恋を隠してくれたり、哀愁の街に降ったりするものではなく、たいした感興をもたらすことはなかったのだろう。とすれば、夜霧をロマンチックに思う感性は、上海の夜霧に対して培われたものが、戦後の日本で再生したと見ることができるのではないか。
霧日数の経年変化、東京と横浜
http://www.asahi-net.or.jp/~rk7j-kndu/kisho/kisho59.html
#夜霧 #上海