三作目。正直、途中から地球がどうなろうと、誰がどうなろうとどうでも良くなっちゃったんだけど、中途半端で終わるのは嫌なので全部観ました。
絶望的な状況でも、救済をささやくメフィストフェレスの誘惑に抗い、最後まで人間として恐怖を抱き、脅威に抗い、希望を手放さずにいられるかってことをやりたかったのかな~とはおもう。主人公の精神が世界の救済に直結気味でセカイ系っぽかった。ハルオの事好きな子もいっぱいいるし(ユウコ、双子、メトフィエス)
それはそうと納得でけへん点が色々とありまくるが…。メインヒロインが行動不能になった途端にあの展開…そういう行為含めて人間ってことだろうか。ギドラのことを逐一科学的に解説して頭抱えてるマーティン少佐がすごく面白かったです。Dr.STONEの世界にもいるよね彼みたいな人。Dr.STONE読んでないけど。
ラストの展開は原典オマージュなのかな…やりたかったことはわかったけど、最初から最後まで主人公の行動に納得できなくてすごくすごかったです。
昨日からずっとひきずっているのでもうちょっと書く。なんか主人公以外の登場人物が全員可哀想だったな…って…。
みんな、主人公のゴジラへの憎しみ(我儘?癇癪?)に付き合わされて死んでいった。しかも「後輩キャラ」「軍人キャラ」「博士キャラ」みたいな定型的な人格描写だけでそれぞれの個性が描かれることもなく、ハルオとメトフィエスの物語を描くためだけに存在していた感じがして、すごく可哀想だった。そこに愛はあるんか。
特に女性描写。制作側は新たな客層(女性、こども)を取り込むことを意識していたっぽいんだけれど、にしてはユウコとフツア族の双子の扱いがひどすぎる。誰かあの展開のマズさを気に掛ける人間はいなかったのか。何故あれでOKになったのか経緯が知りたい。ハルオとメトフィエスの関係性が声優も相まって凄く女性受けしそうだなとは思っていたが、それを凌駕する酷さだったので。
終盤、お話が急展開して怪獣とは…文明とは…みたいな話になっていったけど、それがやりたかったんなら中途半端に人間ドラマを描かずいっそばっさり切り捨てればよかったとおもう。恋愛要素がなければもうちょっと見られた気がする。
あと、異次元宇宙まで巻き込んだ壮大な世界設定のわりに、実質富士山周辺だけが舞台になっていて、世界の広さをあんまり感じなかったなと思いました。他民族・他星人との価値観の差も誤差みたいなもんだったし。これは『大雪海のカイナ』にもほとんど同じ感想を抱いたので、ポリゴン・ピクチュアズ作品の癖みたいなものかもしれない。
お話以外の点では、キャラクター造形や動作をいまいち好きになれなかったなあ…。ローニャのときはだいぶデフォルメされていたら違和感なく観られたんだけど。ゴジラの造形や爆発シーンはかっこよかったです。