台湾タイヤル族:劉紹萱さん「ニホンゴ」研究、映像に(提供) - YouTube https://www.youtube.com/watch?v=4ZsaZr1wpfE
これめちゃくちゃ考えさせられる。
台湾の宜蘭の田舎の方で、日本の戦前台湾統治、というか日本語教育の影響で、日本語と現地の原住民語(タイヤル語)が混ざって新しい言語、宜蘭クレオールが生まれたのだけど、これが民族のアイデンティティを揺るがし続けている。
今の老年は民族本来の言語も台湾華語もあまり得意でなく、宜蘭クレオールが母語という人が多い。
戦後になって原住民の言語が教育に取り入れられ、もともとの民族の言語であるタイヤル語を理解できる世代が増えてきたが、逆に宜蘭クレオールが理解できない世代が増えてきた。つまり自分の親や祖父母の言語が分からない世代が増えている。
とはいえ、台湾の今のメインの言語は台湾華語。原住民語も宜蘭クレオールも廃れていくことはおそらく運命づけられている。
しかも、宜蘭クレオールは植民地支配によって生まれたという負の側面も持っていて、あまり保護されない。
ただ台湾の人は日本統治の歴史もアイデンティティの一つとしてあり、宜蘭クレオールもまた村や民族のアイデンティティとして受け入れることもできるが、でも民族としてそれはどうなのという葛藤もある。
どちらか一方を残すならタイヤル語だろうけど、若い世代ほどできることならタイヤル語と宜蘭クレオールも残したいと考える人も増えてきているらしい。
しかし、全体としては台湾華語を喋るようになってきている。国家としてはこれは仕方ないよね、という話でもある。
しかも現地ではタイヤル語以外の原住民語もあり、それ以外の言語を見捨ててしまっていいのかという批判や意見もある。
大変だな……って気持ちと、歴史の当事者であった日本としては、ちょっとバツが悪いような、それでもどうにも中立な意見を持ちづらい話題だけど、その日本とて中国語由来の漢語を封じれば、ろくに文章を書いたり会話をしたりできないくらい影響を受けていて、そしてその中国はというと、和製漢語を封じたら自分の国の名前すら言えないので、言語というのは難しく、興味深い。
日本言語地図、PDFで公開されてるので見てみるといい。「マジか……」ってなる。