翻って、「重複」のほうは「チョウ」と読むのは「慎重・貴重」など「重んじる」などの意味が多いのに対し、「多重・重箱」など「重なっている」という意味では「ジュウ」という読むのが多いのことを考えると、「じゅうふく」にもけっこう分があるという気がしてくる。
「代替」も「替える」という意味の熟語で「タイ」と読むのはせいぜい「交替」くらいしか思いつかない一方で、「両替」「振替」「替え玉」「替え歌」など訓読みの「かえ」のほうが優位である。となると「代替」を「だいがえ」と読むのもわりと分がある気がしてくる。
夏目漱石 こころ https://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html
ただ、夏目漱石も「耳障」(みみざわり)って言葉使ってるんだよね。まあ夏目漱石も人間なので……。
ので、「じゅうふく」「だいがえ」と読んでいる人は、「あ、そっち派なんだ」と思いつつも、間違えているなあとは思わないようにしている。
そもそも正しい日本語なんて言ってたら、未だに日本人は上二段活用・下二段活用の動詞を使っていることになるしね。
ただ、「耳障りのいい」てめえはだめだ! 流石にこれはシンプルに間違えている気がする。「耳触りのいい」これなら許す。