印象的だったのは、移住先の苦労で語られるのは差別より環境によるものだということ。差別と言って思い出されるのは、引き揚げ後の故郷での差別、入植後の日本人コミュニティ間での新移民への差別。共助よりも自分達と同じ苦労をするべきだと手を差し伸べない人が多かったという。
同じ苦労、同じ苦しみを知らないと同じ場所にいられないなんて、なんて窮屈だろう。
今は「受け入れる側」として話題に上がるけれど、「より良い環境を目指して」移住するということはどの国でも変わらない。歴史の細部を見つめれば、日本にもさまざまな理由で入植した人たちが多くいる。
この本を読めて良かった。