『アンチマン』と比較をすると、
『アンチマン』は加害男性のルサンチマンを含み、また叙述的なストーリー性を持つ(こどものころ持っていたおもちゃの人形のシルエットがハイライトにフラッシュバックすること)のだけど、
『ある人』はねじ式・・・を思わせる(おれ『ねじ式』読んだことないからイメージで話してますが)絵柄や時間経過などがかろうじてエンタメ性を持つけれど、物語的な面白みはほとんどなく、
また同作者の『追燈』(関東大震災時の朝鮮人虐殺をテーマにした短編)でも、強いメッセージ性を持ちつつ、妖怪としてのキャラクター「提燈」のファンタジー性などがあった。
『ある人』は、現実と見比べながら読む漫画であると思う、
そうすることでホラーとしての怖さが際立つ。
Twitterの綺麗なアイコン写真のアカウント、社会的地位のある人のアカウント、
どれだけ綺麗でも、トランスジェンダーへの中傷の視点から見ればこのように薄暗くネチャついて見える。
『ある人』という作品はメガネである、どれほど明るい真っ白な画面で言われていても、特定属性への中傷は『ある人』のように薄暗い。
『アンチマン』のラストを、わたしは納得していない。『ある人』も測りかねる。
ただその経過にある被害を知るに必要なものではと。
おれがしれっと評価していい作品ではないと思う。
これを機会に専門家の書籍につながるべきだとおれは思う。
おれが最近読んだのはこれです。
『トランスジェンダーと性別変更』
https://www.iwanami.co.jp/book/b641561.html
ここではトランスジェンダーの性別変更について【手術必須を違憲】とする最高裁判決が出たという事実が書かれている(P3)。『ある人』の中での、手術(作中は「シリツ」)を言い募る批判的文脈はここから読めるはず。
読み解くために専門書にあたる、
評価はそのあとだと思う。