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comic-action.com/episode/25506
『ある人』※トランスジェンダー差別含む漫画

ある日、体が誰かと入れ替わったようだ。
世界は醜く、暗い。
常に視線が注がれ、身勝手なことを言われ、行く道はなぜか、常に歩きづらい。
この作品の1ページ目にはこう書かれている
「この話にはトランスジェンダーに対する差別的な表現があります ご注意ください」

エンターテインメント性は極めて少ない。
直接的な被害例がフラッシュバックのようにコラージュされる。
よくある醜さ、よく聞く中傷。

醜く描かれていることに覚えはあるか。

これはあえてcw しません。わたしは広く読まれるべきだと思う。わたしを含め。

作者の岡田索雲は短編『アンチマン』で、いわゆる「ぶつかりおじさん」を可視化した。あの作品の益は、まず「本当にそんな被害があるのか?」について、読者の反応を喚起しながら可視化したことにあったと思う。
『ある人』もまた、トランスジェンダーへの被害を可視化することについて益がある、と思う。

わたしは『アンチマン』について、被害経験があったため強く共感した。『ある人』ではどうだろうか。

惜しいのは、アンチマンの時と違ってTwitterが荒れ過ぎていること。これだけ強い問題提起作なのにトレンドにも入っていない。

『アンチマン』と比較をすると、
『アンチマン』は加害男性のルサンチマンを含み、また叙述的なストーリー性を持つ(こどものころ持っていたおもちゃの人形のシルエットがハイライトにフラッシュバックすること)のだけど、
『ある人』はねじ式・・・を思わせる(おれ『ねじ式』読んだことないからイメージで話してますが)絵柄や時間経過などがかろうじてエンタメ性を持つけれど、物語的な面白みはほとんどなく、
また同作者の『追燈』(関東大震災時の朝鮮人虐殺をテーマにした短編)でも、強いメッセージ性を持ちつつ、妖怪としてのキャラクター「提燈」のファンタジー性などがあった。

『ある人』は、現実と見比べながら読む漫画であると思う、
そうすることでホラーとしての怖さが際立つ。

Twitterの綺麗なアイコン写真のアカウント、社会的地位のある人のアカウント、
どれだけ綺麗でも、トランスジェンダーへの中傷の視点から見ればこのように薄暗くネチャついて見える。

『ある人』という作品はメガネである、どれほど明るい真っ白な画面で言われていても、特定属性への中傷は『ある人』のように薄暗い。

『アンチマン』のラストを、わたしは納得していない。『ある人』も測りかねる。
ただその経過にある被害を知るに必要なものではと。

おれがしれっと評価していい作品ではないと思う。

これを機会に専門家の書籍につながるべきだとおれは思う。

おれが最近読んだのはこれです。
『トランスジェンダーと性別変更』
iwanami.co.jp/book/b641561.htm

ここではトランスジェンダーの性別変更について【手術必須を違憲】とする最高裁判決が出たという事実が書かれている(P3)。『ある人』の中での、手術(作中は「シリツ」)を言い募る批判的文脈はここから読めるはず。

読み解くために専門書にあたる、
評価はそのあとだと思う。

おっっ

『あの人』、
ねじ式のオマージュであることでイヤ〜な皮肉になってるみたいだぞ!ねじ式読まなきゃ(読んでない俺ッッッ!!)

ねじ式読んでない感想も貴重なのでそれはそれで(ねじ式読んでないとこのトゥートの一番上みたいなアウトプットになるよ)

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