トランスヘイト本を取り扱ったKADOKAWAについて。
出版が実行されたときの当事者の過大なストレスを思えば私は「出版されなくてよかった」とはっきりと考えるのだけど、それはそれとして今の流れが最悪すぎてかなりつらい。一般的に「両論を聞くこと」が公平な姿勢に思われていて、そうなると今回行われたことは、広くは「過激な抗議活動によって片方の論の出版が阻止された」としてしか後に残らないのではないかと不安でしかたない。さらに言えば、おそらくこの国に暮らす多くの人にとってトランスジェンダーの方々は自分と「無関係」であって、出版されたとしてもこの本が広く読まれるかと言ったらかなり疑問だと思う。印象にも残らないはず。けれど一度不安を煽る形の惹句で出版が予定され、それが抗議によってかなりスピーディーに取りやめになり、しかしながらその取りやめた意図はあいまいで、ネットでは声の大きな人が「トランスジェンダーにまつわる“不都合で危険な事実”が隠蔽された」と嘆いたら、そのモヤモヤした、素朴で、だからこそ根深い、「なんか怖い」という「印象」だけが後に残るんではないか。本を出版するよりもはるかに効率よく。
Xの中でKADOKAWAから援護を求められていたと「うっかり」漏らすのが極右と称される人々であったとしても、ただ楽しくSNSを使っているひとにとって、彼らは別に極右とやらではなく「フォロワー数が多い有名人」だと思うし。違うかな。KADOKAWAが「援護」依頼に選んだのが、いわゆるカッコ付の「フェミニスト」ではない、ジェンダーの研究者でもなんでもない人たちだというのが、KADOKAWAはちゃんとわかってるんだなって感じがする。こういうのが全部、自分が見出した陰謀論であればいいと思ってしまう。
原田宏二さんの「あんたたち無視されたんだよ」と言うメディアに向けた言葉は、イスラエル軍がカメラの前で公然と国際法違反をしている状況に重なるように思える。国際社会やメディアはイスラエルに舐められている。
映画『ヤジと民主主義 劇場拡大版』が投げかけた「民主主義」についての大事な問題(篠田博之) - エキスパート - Yahoo!ニュース
何を言ってるんだこの人…「トランスジェンダーを増やそうとして、何か知られたくない不都合な真実でもあるのだろうか」
KADOKAWAジェンダー本の刊行中止「抗議して委縮させるのは卑怯」 武蔵大の千田有紀教授 https://www.sankei.com/article/20231206-3KFCAMLHYJGPZLDG4UDXYPYAHM/ @Sankei_newsより
どっからどう考えても
・翻訳出版部門にトランスジェンダー憎悪・反LGBTQの枠組みで書籍を宣伝して売ろうとした連中がいる。
・KADOKAWAの企業ガバナンスが終わっていて、そうした翻訳部門の動向を感知できないまま今になってそれに気づき、ほとんど完成している書籍の刊行を慌てて中止させた。
という2点がこの結果なのに、「トランスジェンダーコミュニティが圧力をかけて出版を中止させた!言論の自由が!」っていう馬鹿みたいな情動の渦をKADOKAWAが引き起こしているわけで、ほんとマジで許しがたい。この結果まで責任取れよ。
ノンバイナリー。北海道に住んでいる。野菜をたくさんたべる。SNS、もうわからない…