ミュート、ブロック、サーバーの引っ越しという手段があることと、「差別されるのが嫌なら去ればいい」という話、どっちかを選ぶ選択肢と並べられるのおかしいよね。
「ミュートもブロックもするし、サーバーの引っ越しもするけど、それはそれとして場として差別発信を許容するな」というスタイルだってあるし。
ミュート、ブロック、サーバーの引っ越しをするかどうかと、場として差別を許すかどうかはまた別の話じゃん。
差別が許される場など心中以外には基本ないんだけどさ。
これは管理者の対応の話ではなく、差別がイヤならミュート、ブロック、サーバーの引っ越しなどすればいいじゃん、という声が出たらしいことへの感想です。
「日本がイヤなら出て行け」「いじめがイヤならいじめられっ子は引きこもってろ」「基礎疾患あるやつでコロナで死にたくないなら一緒家にいたらいいんじゎないですかww」「被害に遭いたくないなら女は夜道なんか歩くな電車に乗るな」論と、推奨してる構造が同じことですよ。なんで被害者が場を去ることを当然視されなきゃならんのか???
ということで(ということで?)、blueにもアカウント作りました〜〜〜!!
運用のやり方は未定です!!!!!! のでフォローしてねって言いづらい!!! こっちから完全引越しは考えていないのですがあっちでもトゥートたくさんしたい〜の気持ち。
fedibirdはユーザーも多いし大企業がやってんじゃないんだし、そりゃ「対処」にも「迅速」にも限界はあるよね、というのと、「差別発言する人が野放しになっているように見えて不安だし怖いしこれは駄目なことだ」と発言するのは普通に一緒に成り立つよね。
そして両者が湧き上がったときに、前者をまず慮り守るムーブはめちゃくちゃ偏ってるよねっていう。中立かつ冷静に見えるけど、いや〜〜〜いやいやいや………………となります私は。こういうのが悪意のない差別、というものなんじゃないかな。管理者を心配するなというのではもちろん、当然、なくて。まっさきに駆け寄るべきところはどこか、という。
行動の仕方、構造の組み立て方、構造の支え方は様々な工夫があってしかるべきだし、1ユーザーとして、支援できるところは支援していきたいよね。あと自分の安心できる範囲の人たちとの間だけでも、意見の異なる声も、話を聞きたい。ここは一応Twitterと違って「炎上」からの「収集のつかない地獄」にはなりにくいと思うし。差別は論外です。
で、ぶっちゃけ私はここでやってて、トランス差別のトゥートを見ていないんですよね。見つけた方もおそらく、みなさんブーストを(拡散防止と当事者を傷つけないために)避けているし。LTLがない、ということは、つまりそういうことにもなりやすいんだなって。完全に綺麗な空間を作れるわけですよね。それが「ゾーニング」ということなのかもだけど、差別を…………ゾーニング………………?? なので、差別に関してはゾーンを分けるとか分けないとかではないんだ。分けたところで煮詰まったり放置されて気軽になっちゃったら、その分け方はアウトでしょう。(前に森さんがfedibirdに対して意見をされていたことを思い出している)
場の大前提として差別禁止を明確にした上で、多少のノイズというか……納得できない意見とか、ちょっとそれは駄目なんじゃないのとか、そういうのが入ってきたりする方が自戒にもなるかな、とちょっと考えている。fedibirdから引越し機能を使うかどうかはまた別として、アカウント残したままでも、他の差別禁止を強く打ち出すサーバーをメインに積極的に動かしていきたいな、というのはようやく強く思い始めた。ようやく……遅い…………
「時間がかかるものなんだよ」「ミュートすれば安心だよ」と、ゆったりと言っちゃうのってかなり鈍感じゃない? ミュートや引越しは、確かに個人が主体的に選ぶことのできる選択肢で、その行動を私は積極的に支持します。けど、それはミュートや引越しをせずともノープロブレムな状態の他者が、気軽にアドバイスすることでは決してないでしょ。「ハッシュタグはどうも……」と苦言を呈したり “評価” してみたりする前に、まず「確かにトランス差別は許されないし許さない」と一言いったっていいんじゃないの。それをせずに他人の行動がTwitter的だとかなんだとか言うことの方がTwitterっぽいような気がしてる。
fedibirdのアカウントでやってるので正直な話自分が「どうするか」がまとまっていないままなんだけど、とにかく #トランス差別に反対します は私の基本姿勢として打ち出しておきます。まずはそこ。まずはそこです。本当にね、チラと見るだけでも、びっくりするくらい人間を人間として見ないことが「安全のために許される」世界です。
で、管理しているのは企業ではないという事実を踏まえても、指さして示した差別に対してリアクションがなかったら(薄かったら)(遅かったら)、そりゃ不安だし怖いし不信感を感じる、というのはそんなにおかしなことだろうか。「ちゃんと対応してくれます?」と声を上げることはそんなに「面倒くさくてうるさい」ことだろうか。「とりあえず独自規約でも明確に言葉にしてくれないか」と要望をすることはそんなに過激だろうか、と思います。
今日、出版社から送られてきた『韓国という鏡』読了。有体に言ってしまえば僕はこの本の宣伝を期待されているわけで、実はこういうのは時々あるのだが、割とスルーしがちなのでちょっと書く。
筆者の緒方義広さんは19年間韓国に住み、弘益大の教員などを務められた方で(今は福岡大の准教授)、幅広い見識と知識に基づいて韓国と韓国から見た日本、そして日本社会にある韓国への(悪意を含む)誤解について書かれている。
まず、批判から書く。この本「韓国について何も知らない人が一冊だけ読むなら」という基準でならとても推せる、いい本だ。だけど、逆のことも言えて、何冊も読んでいる人、韓国のことについて一通り知っている人に新しいことを教えてくれるという部分はあまりない(ただし、例外もある。その話はあとで)。
全体として2017年あたりからの視点で書かれているかな、と思っていたのだが、あとがきによると2013年から2015年ごろまでに書かれたエッセイが原型になっている章が少なくないようだ。もちろん、情報などはアップデートされている部分が多いのだが、2019年頃から先の大統領選挙までの間に韓国の社会や政治には大きな変化が生じてしまったので、でもとか民主主義のあり方とかに関する部分では、少し古く感じられる部分っも少なくない。そういう意味では僕には消化不良な部分が残った。
それから、歴史の話がある。全4章のうちの第二章が歴史問題に充てられていて、それなりに充実した記述になっているのだが、しかしここでも「これが最初で最後の本なら」という感じが付きまとう。内容としては、三年くらい運動圏にいて、それなりに勉強すれば大体わかる、というものでしかないのだ。たとえば、日本による支配に関連する問題にしても、進歩派の活動とニューライトの登場あたりまでは触れられているのだが、その後、あるいはその背景,という話は出てこない。そのへんはお行儀がいいと言えるし、また(読めばわかることだが)筆者がたいへん注意深く自分を中立の位置に置いていることの反映でもある。だから責めることはできないのだが、正直言って僕が書店でこの本を手にして、そして2400円という価格をみたら、黙って棚に戻すだろう。そんな気はする。
とはいえ、そんなすれっからしの目から見ても、「おお」と思う部分もこの本にはある。たとえば1章「韓国という国の日常」は、長く韓国に住んだ人ならではの視点で書かれていて、韓国における在日コリアンの扱い、戸籍の廃止と二重国籍の一部容認、少子化対策など、日本で走ることの難しい情報が結構ある。
また、3章の後半は韓国の大学生世代について書かれていて、競争の厳しさ、「ヘル朝鮮」からの脱出先としての日本での就職志向、その成功例と失敗例など、これまた簡単には知ることのできない情報がある。
なので、学校の図書館などに備えるにはいい本だと思うし、また借りたり貰ったりして読むには良い感じだと思う。ただ、僕としてはもうすこし掘り下げのある本の方が好みかな、と思った。
ごった煮アカウント。漫画と文章と食べ物が好きです。2016年のアニメYOIをひたすら噛み締めています。たまに粉を焼く。人種、ルーツ、外見、障がい、ジェンダー、セクシュアリティ、トランス差別に反対。
最近ちらほらフォローしてくださる方、こっちはほぼ動かしていないサブアカになりますのでご留意ください。
大体こっちにいます→ @kitsunekirin