『もう死んでいる十二人の女たちと』パク・ソルメ 斎藤真理子 訳 (白水社)
読了。ほんとびっくりするほど読んでいて睡魔がすごかった。一ページ読んでダウンとか普通にあった。つまらないからなのか、というとそうではなくて、読んでいて「すごい、すごい、」ととても思うんだよね。読みたいの。でも読めない。
訳者による解説が「かなり変わってい」る、と述べているように、文章そのものがかなり……故意に破綻させている感じがある。「前衛的」「独創的」「難解」と評されているらしくて安心してしまった。私はこういうのが得意じゃないので、だから寝まくっていたんだな……。いしいしんじの作品のいくつかを挫折したことを思い出す。
著者の言葉として「文章を書いていて整っているなと思ったとき『これは本当に自分がやろうとしていたことかな?』と自問して、少し違う方向に進めることはある。でも逆に、整った方向へ行きたいときもある。体が必要な食べものを自然と欲するように、食べものを選ぶみたいに書いていこうと思います」というスタンスが紹介されていた。斎藤真理子は「意図的にぎこちなさを残した、容易に理解されることから身をかわすような文章の個性」と表現していて、これもまたすごくて唸った。