石原比伊呂「北朝の天皇」中央公論新社
南北朝時代といえば合戦に魔王後醍醐天皇、の裏番組、北朝の皆さん。それぞれくせ者ぞろいで無類に面白い。合戦はなくてひたすら飲み会、儀式、偉い人たちの仲良し仲違い、お供と高官のぼやきに満ちている。こういうのだい好き。
秋から水を切ったのがよかったのか、今年は4年ぶりにセッコクが開花しました。白いのは2016年につくばみずほの村で買った「白泉」、薄橙は同年井出蘭草園から取り寄せた「七種姫」。控えめで清らかな香りがして最高オブ最高。
森茂暁「南朝全史」講談社学術文庫
日本の南北朝時代の概略が知りたくて読んでいます。カバーの吉野桜が美しい。
官僚脳なので、大覚寺統の御聖断主義ほんと腹立つ嫌い。個人の能力に依存してワンマンで物決めるからスケールしたときは派閥間の内乱にしかならん。気に入らないと幕府を滅ぼす。いったい後醍醐のどこがよかったのよご老公に明治政府ってばよ。
松下貢「統計分布を知れば世界が分かる」中公新書
生物学実験をはじめた方(大学生でも高校生でも社会人でもリタイア勢でもいい)方におすすめ。あなたはある値をくりかえし測っている。たしかにある処理をすると値が変わる。しかし値の変化にはばらつきがあり、nをいっぱい増やしても綺麗な標準偏差が取れない。実験が下手なのか? しかしたくさん取ったデータをエクセルに並べて例えば=ln()で変換してみたまえ、そこが最初の入り口になる。私の頃はまだ計算機がさほどよくなかったので、大学の生物統計でも正規分布中心の教育で、対数正規分布については初学者にはほとんど語られなかったのですが、今はこんないい本が出ました。それでは幸運を祈ります。
Review‒ Novel, Marco Lobo "JINCAN" Christopher Matthews Publishing (2019/10/5)
In the book’s first few chapters, many readers will relive a somewhat tedious history class in an unfamiliar city in the 19th century with an Asian protagonist who shows little emotion. However, the novel gets more exciting in the remaining 1/3 of the book.
The main character, Shen, is an assassin of the former Taotai of Macau. He regains his humanity in the story.
つくばで働く団体職員です。植物や鳥が好きです。