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事件の真犯人は物語で明かされることはなく、第一回公判で実質再審・二回公判で伊達原の犯した罪を炙り出す演出に鳥肌が立つ。CM無し(ラストマンもこの手法だった)の第二回公判場面は圧巻。 

episode10『正義』。明墨の裁判が始まり、伊達原が検察官として担当することになる。伊達原の話法に翻弄されるものの、12年前の事件に論点をすり替えることに成功し実質事件の再審に近づけることが出来た。(伊達原が自分から持ってきたことには驚いたが)

多岐川の家庭裁判所への情熱のきっかけは、朝鮮から帰国した時、上野駅で出会った孤児に手を振り払われたから。その手を差し伸べてあげられるそんな制度として家庭裁判所を作ろうと思ったんだろうな。汐見が語ったあと、『愛だ』と独り言か寝言かわからないように言う彼の姿が残る。 

ついに家庭裁判所設立。年末に引っ越し作業をする面々に猪爪家が駆り出される。引っ越しの締めとして多岐川がひっそり買っていた花岡の絵には家族と分けるチョコレートの絵というのがほろっとしてしまった。これも愛。 

多岐川さんの『何も出来ないなら黙っておけ』はそんな寅子の傲慢さ・うぬぼれに気づくための言葉だがまだ気が付かない。花岡妻に『気づけてあげれば』と言った寅子に桂場が言った『正論に見栄や詭弁が混じったらだめだ』は気づいて貰うための言葉、だと思うのだが…… 

ヒャンちゃんの事情として、敵国の人である汐見・家族と天秤をかけて、国を捨てたことは何度も何度も苦しんだ。それはパートナーである汐見や同居する多岐川も何度も考えた。そこにずかずかと入り『私になにかできることは』という寅子の未熟さが際立った。 

ヒャンちゃんの事情に関して『生きていれば色々ある』と返すはる。本当にこの言葉通りで、寅子の手を離れて別の人生を歩んでいる。 

酔った汐見を連れて汐見の自宅へ。そこであったのは昔の学友・香淑。ヒャンちゃん、と本名で話しかけたときに気まずそうにした彼女は今は香子という名前になっていた。事情は明日に… 

少年審判所と家事審判所の話し合いに関しては、多岐川さんはよくやっているよと話す汐見に『連れてってほしい』と言う寅子。飲み会だったものの、ガス抜き・顔見せをさせるための飲み会なのかな。いがみ合わせるためのものではない意味もありそう。  

多岐川がファミリーコートへの情熱だけでなく、直明の所属する戦災孤児へのボランティア団体の創設者という面もある。寅子の前ではつかみ所が分からない人物だが、色んな側面が見えて面白い。登場二日目なのに魅力的。 

話し合いに熟睡する多岐川に寅子が『もう合併しなくても…』と意を決して話す。多岐川はそんな寅子にアメリカのファミリーコートの話をして貰おうと頼安の元に連れていった。ファミリーコートが家庭裁判所の元になったものだと理解出来るが黎明期にそんな苦労があったのか…と驚く。 

完走。仕事に忙殺され心もぼろぼろの浩国に幼なじみの甲斐が声をかける。『結婚の約束をした仲なのに』と…幼なじみのルームシェア関係を描くだけでなく、パワハラ上司にぼろぼろにされた浩国の自己肯定感をあげる甲斐の優しさに癒される作品。

完走。編集者の宮田が仕事依頼のために訪れた先にいたのは、昔別れた元恋人・岩永だった…元恋人のペースに心を揺らす過程を丁寧に描くものの、宮田も内心忘れられなかったのがよくわかる。駆け落ちをしようとしていた二人が電車に乗り帰るラストがいい。

完走。幼なじみの礼に告白できないまま結婚式を迎えた健。そんな健に妖精(三上博史)がチャンスを与え…過去への後悔を変えようとする人類普遍のテーマをポップに描く。山下智久ドラマ一挙(フジで5月実施)の中で一番好きな作品。明日やろうはばか野郎という礼の祖父(夏八木勲)の金言が響く。 

完走。プロバスケ選手の直輝は、結果を残せず恋人の菜月との仲もうまくいっていなかった。バイオリニストを目指す莉子と出会い、二人で目標に向けて切磋琢磨をはじめ…これぞ平成王道ラブストーリー。バスケ場面も多く、ラブストーリー要素も多いため見所満載。

2024年1~3月ドラマで面白かったドラマトップ10
1 Eye love you
2 おっさんずラブリターンズ
3 春になったら
4 不適切にもほどがある
5 おっさんのパンツが~
6 正直不動産2
7 アイのない恋人たち
8 仮想儀礼
9 婚活1000本ノック
10 舟を編む
(次点はチェイサーゲームW
・ハコビヤ)

家庭裁判所準備室で揉める少年審判所と家事審判所(寅子が合わないマッチ箱を納めようとする描写が差し込まれたが合わないものを無理に合わせることができない例え)。それを横目に居眠りする多岐川、多岐川の平行線になることは関知しないという言葉通り。滝藤賢一のこう言う役、ぴったり。 

多岐川の『君も正しいが、俺も正しい!』は印象に残る言葉。皆が生きるために手を出してしまった闇米を花岡は食べなかった、これから戦後の大仕事があった志半ばで亡くなったことへの怒りが籠もった多岐川の花岡への言葉は『大馬鹿者』だけど、寅子が知るのは後ほどかな。 

花岡の死から1年後、寅子は家庭裁判所の設立に向けての準備室に異動。そこで出会ったのは小橋…だけではなく稲垣だった。癖の強い上司・多岐川に論破されるだけでなく、元々あった少年審判所と家事審判所(家庭問題を解決する部署)との対立もあり問題の種がちらほら。

轟の花岡への思慕は『漢らしさ』の鎧で固められて気が付かなかったが、おなじく男装の鎧に包んでいるよねには見透かされていたのかも。この二人の弁護士事務所、たのしみ。 

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