レ・ミゼラブル
僕はだめだった。ぜんっぜん入れなくて…ああ無情。涙
陰惨なまでの不幸が描かれてるのはわかるものの、特に女性キャラの心情や言動にリアリティを感じることができなくて。
全体的に感じてしまったのは、女性は情が薄くその場限りの感情で動くもの、という作者の偏見の激しさ。理解し合えるのは男だけ、という前提の根強さ。
あまりに貧しく不幸だと学ぶ機会も得られないから、って意見もあるかもしれないけど、不幸で無学なのはジャン・バルジャン自身も一緒なわけじゃん?
主人公だけがそんなに特別であってたまるか。
僕には作者の偏見の表出にしか見えない女性キャラの言動が要所要所に出てきて、物語の筋をすら左右していくものだから、何度も絶句して立ち止まり、ここは目をつぶろう、こことそこは考えまい、…とやりつつ読み進むうちにすっかり疲弊した記憶。
僕にとっては資料的価値という感じの小説だったなあ。正直なところ。
勧めてくれた人が偶然にもわりと男尊女卑とかの問題に厳しい人だったから、そのへん気にならなかった…?と聞いてみたけど、読んだの昔だからかそこまで気にならなかったって話だった。
僕はひいひいいいながら読み終えたときにはちょっと義憤すら感じてしまっていたけど。
世間的にはあまり問題視されてないみたいで、気になるところ。
カウリスマキ「街のあかり」
珍しくも1日で映画2編見た。公開期限の力はすごい。ただ身も蓋もないこといえば1編あたりの時間が短いって理由も大きかった。
どっちも美しい映像でまあまあ面白かったけど、ちょっとパターンは感じたな。
◯男は薄っぺらなメンツで生きてる
◯男は3人でつるむ
◯女は遠慮深く辛抱強く愛情深く賢い
あたり。
そして、結果としてだめな男が女に救われる、というとこまでがセット。今日見た2編に関していえば。
シリーズの残るもう1編「過去のない男」は見たのだいぶ前だから比較できないけど、どうだったかな…。
1人の監督の描く作品で多少のパターン化はしょうがないって思わなくもない。
ただパターンの内容はあまり面白くもないかも、とちょっと思ってしまった。マニックピクシードリームガールの延長というか。
それだったら僕はバッファロー’66の方がいいかな…なんて。
映画「浮き雲」
アキ・カウリスマキ監督作品のアマプラ無料が今日までと知って急遽見てみた。以前「過去のない男」だけ見たことがあったけど、実はそれが敗者三部作なるシリーズの2作めでこの「浮き雲」が1作めにあたるんだそうな。
カッコつけでやせ我慢がすぎる場当たり的な夫と、やり手だけどちょっと遠慮がちな妻が相次いで失業する。二人はそこから這い上がろうとするものの、次々と不運が…というストーリー。
最後の救いの手はやっぱりそこからかーって感じがした。持たざる者が自ら這い上がれるようには基本できてないんだよね、たぶん。現代の資本主義。
時代背景はけっこう前みたいだけど、そのへんは今に至るまでたぶん悪くなる一方だよな。
市販曲をピアノ弾き語り編曲したり譜面の販売したり。
Coccoと羊文学とJeff Buckleyが好き。
演奏見本動画はYouTubeにあります!