ばかでかい本の発送作業が続いたこの二週間弱で、誇張でなく体が一回り大きくなった。体を作るには本を作って売るのがいいんじゃないだろうか。次は『本でムキムキ 納品筋トレ術』みたいな本を作ろうかな。惹句は「人に本で“体”になる」だ。50部も売れないだろうけれど。
自主制作なのだから自分だけがキャッキャと喜ぶようなものを作ればよくて、たまにうっかり人にも喜ばれると嬉しいくらいの塩梅でいたい。他人の期待ではなく、じぶんの機嫌をとる。
本を売るという口実で会いたい人や行きたい店に押しかけてみるというのも僕は好きだから売るのも好きだけど、これはつくる楽しさとは別の話。
手ぶらのままじゃ何も配れない。
しかし自作本を出すと告知やエゴサに励んでしまって健康によくない。
最近は「友だちを作ろう」と言いふらしてるけれど、べつに友だちを沢山つくる必要はない。無際限な交友関係の拡張も、きっぱりとした切断も、どちらもやり過ぎはよくないというだけで、その時々のコンディションでどちらかの極を強調することはあれどそれは一種の方便である。
バランスをとるためにそのときどきで論の重みづけを調整しながら、両極のあいだで塩梅を探るのが大事。どちらかを取るような価値判断はつねにある種の詐術であることを自覚していること。
17時からのおしゃべりイベント、とても楽しみ。配信チケットまだ買えますので、もしよければふらっとご参加ください。
https://peatix.com/event/3528150
かきないしょうご。会社員。文筆。■著書『プルーストを読む生活』(H.A.B) 『雑談・オブ・ザ・デッド』(ZINE)等■寄稿『文學界』他 ■Podcast「 ポイエティークRADIO 」毎週月曜配信中。 ■最高のアイコンは箕輪麻紀子さん作