常世は幽霊が幸せに生きる場であり、それは主も例外ではなかった。が、それもまた浄土には受け入れられなかった。大事な人を殺してしまった、という罪悪感がまとわり付く。幸せな地である常世にはいられない。
そうして現世に来たものの、そうしたところで何もできることはない。あの人が亡くなったことは変わらない事実で、償う手段は何もない。罰も恨み言を言われるのも望めなかった。できることは何もなかった。
幽霊の身では命を絶てなかった。そこでようやく、もうどうしようもないことに気が付いた。その頃には体も言うことを聞かず、思うように動かせなかった。
そんな状態の彼を拾ったのが白光だった。