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もうしたかもしれない浄土の話

・彼の主
→主は地方を治める人間(桐生氏)だった。当時の上毛エリアはかなりピリピリしており緊張状態にあった。その時代をうまく立ち回り桐生氏発展の土台を作った。
そんな主は浄土を大層かわいがりっていたそう。鷹狩に出かけた際、浄土から落馬して亡くなった。
(ここまで本に記載アリ)

浄土の生前
他の仲間が戦だなんだと連れ出される中で、浄土は箱入りのようにかわいがられていた。彼は仲間と同じように役立てないならば、と戦術を中心に知識を身に着けるようになった。どうにか「臣下の一人」という枠組みに収まらないと、それ以外の関係がよくわからなかったのだ。
ある日気晴らしに主の好きな鷹狩に誘ったところダイバに襲われてしまう。浄土自身も命を落としが、主も浄土が原因で亡くなってしまう。

死後
常世で再会するも主からは平然とした顔で気にしないよう言われてしまい、浄土は非常に狼狽えた。主にはまだ成人してもない跡取り息子がいたのだ。後継者がそんな状態では混乱が起き争いになるのは容易に想像できる。親としても領主としても未練が多いだろうに、その主の反応を浄土は受け入れられなかった。怒られたかったのかもしれない。

常世は幽霊が幸せに生きる場であり、それは主も例外ではなかった。が、それもまた浄土には受け入れられなかった。大事な人を殺してしまった、という罪悪感がまとわり付く。幸せな地である常世にはいられない。
そうして現世に来たものの、そうしたところで何もできることはない。あの人が亡くなったことは変わらない事実で、償う手段は何もない。罰も恨み言を言われるのも望めなかった。できることは何もなかった。
幽霊の身では命を絶てなかった。そこでようやく、もうどうしようもないことに気が付いた。その頃には体も言うことを聞かず、思うように動かせなかった。

そんな状態の彼を拾ったのが白光だった。

メンタルがどん底になった彼をどうにかこうにか連れて帰り、世話をし、回復してきたらお手伝いと称して一緒にお使いに行ったり。そんな生活を数十年送ったおかげで動けるまでには回復してきた……が、限界感が否めないのである。

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