バービーランドにもたらされる戯画的な「家父長制への勝利」には背を向けて、生きづらいことばかりのはずのリアルワールドを選ぶ、というのがちょっと優等生っぽい感じに思えてしまうのが玉に瑕のような気がする。違和感のある話運びではないんだけど(「死について考えてしまうバービー」という出だしからしてそういう落とし所にしかならないのは確かだし)。でもそういう優等生感があるから本国で爆発的にヒットしているんだろうな、とも思う。日本では(バーベンハイマーの件も手伝ってか)あまり大きくヒットしていなさそうなのは残念かもね。
バービー
リアルワールドで家父長制を知って闇落ちするライアン・ゴズリング、家父長制をバービーランドに広めるライアン・ゴズリング、男社会のヒエラルキー競争が勃発し最終的に何故か踊るライアン・ゴズリング、十分にケン(Kenough)になるライアン・ゴズリング……