Threadsを見ていたら
「ここ10年くらいでインターネットは過去の情報をアーカイブ化したり文脈化したりするのではなく、目の前の刺激に急激に反応してはすぐに忘却されていくという、より消費速度の早いマスメディアみたいな場所に急速に変化してきているような気がする。」
という投稿が流れて来て、ここ10年くらいなのかは分からないけど、俺がインターネットを始めた25年前くらいの時は個人が少しずつ持ち寄った情報が集積されて誰でもアクセス可能な膨大なアーカイブが誕生すると思っていたのだけど、いま過去の事を検索しても運営者が居なくなったりなど様々な要因で過去のデータは綺麗さっぱり無くなっていたりで紙に印刷された情報よりも耐久性がないのかもと愕然とするこの数年ですわ。
うちで一番元気なのははんぺん氏です。私が寝込んでると様子を見にくるのが愛おしくてたまらんかった。死んだか?ついに死んだか?って見に来るの…
胃腸炎になる前に、エリセの過去作『ミツバチのささやき』『エル・スール』を観ておいてよかった。その後で、31年ぶりの長編映画新作『瞳をとじて』を観ることができたから。これね、本当に本当に良かった。
ああこれ、もうこの今のためにこれまでの全てがあったのかもな…と思われてしまう瞬間、なぜか主人公より二回り以上短い程しか生きてないのに彼の分の人生がどっと流れ込んできてしまう瞬間があって茫然とした。一気に30も年取った気分だが、観た日はすごく満足してた、人生に…
わたしは強い物語にも好きなものはあるのだけども、弱い物語もおなじかそれ以上に好きだ。弱さを嫌ったり弱さから逃げない話が好きだ。
映画についての映画。人生で何もできなかった(と思っている)人間についての映画でもあるかもしれない…
もう一冊は、『哀れなるものたち』(ルシア・ベルリンと並行読み)。映画観なかったら存在に気付けていなかったが、映画よりはるかにフェミニズムが咀嚼され濃厚なスープ状態で呈されていました。映画は何かを捨象しているのではという勘は当たった。すごく重要なポイントが翻案にあたってぼかされている。
まずベラが世界周遊の旅に出たのはダンカンとが初めてではない。そしてベラは、最初の世界周遊の際に避妊法を習得済。娼館のシーンは一瞬。娼館では結局一文も稼げなかった。帰省旅費は別口で確保した。ベラが医師になるための勉強を始めたのは「ハネムーン」前。
そして映画には、原作のほとんどコアと言っていい、最後のベラによる「補遺」がない。
この本を矢川澄子に読んでほしかった。少女、そうだ、これが少女なのだ、と言ってくれたような気がする。あくまで本作は著作ではなく底本を「編集しただけ」、補遺をつなげ注を付けただけ、という韜晦と悪ふざけたっぷりの構造にも目を輝かせてくれたことだろう(脚注も物語の重要な構成要素なので、読むのに栞が2本要る)。
高橋和久訳は、脚韻をちゃんと踏んで訳してるばかりか、音節数もたぶん限界まで揃えてきてる。これは胃を壊してもしょうがない。すごいよ。なぜって初期ベラの手紙、ほぼその文体だから…途方もない訳業。
回復の途上で画面見るのはきつくても本なら読めるという状態があったので、2冊くらい読了できたのはよかった。おかげで読書欲が戻ってきた。
何があったかというと…生牡蠣に中ったか飲み過ぎかどっちもか、原因は定かではないが、急性胃腸炎になっていたのだ。
Twitterからの旅人。映画とうさぎ。成人済。shipperの感受性。Toby Stephens, Tom Hardy, Chris Pine, Aneurin Barnard etc. MMFRはV71(BC12)。2016.7.10はんぺん(2015.12生・オス)お迎え。アイコンは月在住ほげ。