胃腸炎になる前に、エリセの過去作『ミツバチのささやき』『エル・スール』を観ておいてよかった。その後で、31年ぶりの長編映画新作『瞳をとじて』を観ることができたから。これね、本当に本当に良かった。
ああこれ、もうこの今のためにこれまでの全てがあったのかもな…と思われてしまう瞬間、なぜか主人公より二回り以上短い程しか生きてないのに彼の分の人生がどっと流れ込んできてしまう瞬間があって茫然とした。一気に30も年取った気分だが、観た日はすごく満足してた、人生に…
わたしは強い物語にも好きなものはあるのだけども、弱い物語もおなじかそれ以上に好きだ。弱さを嫌ったり弱さから逃げない話が好きだ。
映画についての映画。人生で何もできなかった(と思っている)人間についての映画でもあるかもしれない…