バービー
色々思うところはあるけれど日本の男性陣は観るべき映画なのは確か。
女性に向けられる性的な眼差しや、社会における女性の抑圧、有害な男らしさについての描写がかなりわかりやすかった。
他にも、バービーランドは女性(バービー)中心の社会で「女の子」にとって理想郷的な描かれ方をしつつ、バービーたちがルッキズムやエイジズムを内面化しているのはあらゆる面で皮肉が効いてるなと感じた。もちろん、ただ単に皮肉ってるだけじゃなく最後それらを克服しようとしているのが良かった。(最後の定番バービーの選択はこの意味も含まれていると感じた)
さらに他の人がバービーのあり方かトランス的だと考察していて興味深かった。(正直私は気づかなかった笑)「わかる人にはわかる」という形で差し込んでいくのはシス女性とトランス女性の双方に対してナチュラルに寄り添っていて「やるな」と思ってしまった笑。
バービー
トランス的描写やリーン・イン・フェミニズムやホワイトフェミニズムとの親和性を指摘していたリンク載せます
トランス的描写
https://mikinayuta.hatenablog.com/entry/2023/08/13/214000
リーン・イン・フェミニズムやホワイトフェミニズムとの親和性
https://sites.google.com/view/nj51/moviereview/barbie
バービー
一方で、モヤモヤした部分もいくつかあった。
まず、バービーランドにおいてアランやミッジといったバービーでもケンでもない存在に対しては、最後まで軽んじられていると感じた。
さらに言うとアランは「男らしさについていけない男性の象徴」として描かれてはいるものの、途中でケンたちを止めるシーンがだいぶ「男らし」かったし、ミッジはパンフレットも見ると意図的に腫れ物的な存在にされているけれどもそのようにする意味が理解できなかった。
他にも、サーシャがバービーを嫌いな理由自体は結構本質的で向き合うべき問題なんだけど、その中のうち環境破壊や資本主義への批判といった、一見するとジェンダーとはつながりが薄そうな部分に関しては最後までウヤムヤにされていると感じた。
特に、バービーランド自体のあり方がリーン・イン・フェミニズム的で非常にモヤモヤした。
それでも、シネコンレベルの邦画でここまでジェンダーに踏み込んだ作品は観たことがないので、ジェンダーについてもっと知ってもらうために世の男性には観てもらうべきだと思った。